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2009年2月23日 (月)

3月7日(土)8日(日)は高生研近畿北陸ブロックゼミin阪大⑬ 続・河添誠さんと考えたいこと

河添さんは学校教育については、次のように述べておられます。

「学校の中で、労働者としての権利教育をもっと具体的にできたらいい…学習指導要領に制度として組み込んで、どこの学校でも教えなければならないものとして入れられないでしょうか。…熱心な先生は、あちこちにいる。だけど点でしかなく面になっていないから、制度化が必要だと…」

ここだけ読むと、制度化が上から押しつけ的な感じがしないでもなくて違和感を持ってしまう人もいるんじゃないかと思います。ぼくもその1人。もちろん後半の「熱心な先生は点でしかない」という指摘は厳しいものがあります。僕らは「1人のスーパー教師よりも80%のフツーの教師が知恵と力を出しあって…」と常々、主張してきましたが、これは簡単なことじゃない。「やっぱりあの先生だからできる」という壁はなかなか越えがたい。率直に言って、高校の場合、特に授業はお互い神聖不可侵みたいな所がある。そうかというと面白くもない反復学習を「共通授業」と称して手を抜く。同じ反復学習をやらせるなら労働基準法の反復学習をやった方がまだまし?と考えるのもありかも、と思ってしまいます。

ただ、河添さんが「学習指導要領に組み込んででも…」という背景には、単に非正規雇用の未権利状態を放置できないという思い以上のものがあるようです。

河添さんの編著で、本田由紀さんも入った「労働、社会保障政策の転換を 反貧困への提言」(岩波ブックレット№746)では、共同提言として次のように述べられています。

今後、日本型雇用における「企業内労働市場」とは異なる「企業横断型労働市場」が大きな位置を持つことは明らかである。…(しかしながら)日本の職業教育訓練の中心的担い手は民間企業と見なされ、若年労働者の職業教育訓練は、新卒で正規採用された後の企業によって行われることを基本的に想定している。…結局、新卒あるいは若年労働者を対象とした、本格的な雇用促進と公共職業訓練の法的枠組みは、これまでの日本社会には存在しなかった。(p30~31)

(それゆえ)職業能力形成についての公的責任を明確にする(必要があり、高校教育に関係した点では)職業専門学科を持つ高校、短大、大学、高等専門学校等に1~2年の職業教育訓練コースを併設するよう奨励・補助し、訓練委託を行う。いずれの場合も座額と職場における実地訓練組み合わせたデュアル形態の教育訓練(就労と平行した夜間等就学を含む)を優先的な補助対象とする。(同p33~34)

つまり、従来のスクールトゥワークでは未整備だった職業教育の公的責任をはっきりさせる延長上に学校の制度的改革も構想されているということです。だとすると、それは「総合の時間、数時間を労働権の学習に充てる」というような部分的な改革にとどまらず、普通科高校(→上級学校)→新卒一括採用→企業内教育→年功序列→終身雇用というスクールトゥワークを根底から見直す普通科教育のあり方を問うているわけです。

要は「労働権の学習?それは社会科か総合学習でやってね」ではなくて、これまでのように企業内で企業に従って生きる人生じゃない、企業と相対的に独立した人生のための諸能力が個人的にも集団的にも求められていると言っていいのではないでしょうか。

                             井沼淳一郎

全体会 3月7日 12:30~17:00

「“今を生きる若者の現実”からはじめよう

~専門家・研究者と現場教師の対話」

Ⅰ部 労働現実と学び 

河添誠(首都圏青年ユニオン)×松崎康裕(社会科教師)

Ⅱ部 人間的発達と社会 

秋葉英則(大阪健康福祉短大学長)×古川奈美子(養護教諭)

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