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2009年2月16日 (月)

早蕨です② ちょっとムズカシいのだ 関西のお好み焼き<後編>

【この文章は「大阪大会応援ブログ(左記リンク参照)2月16日記事<後編>です。そちらを先にお読みのうえ、どうぞ】

 さっき「コミュニティ的な何か」と言ったが、街のお好み焼き屋は、その街の大人の社交場であり、駅のプラットホームであり、病院の待合室…でもある。そこはパブリックな「場」なのだ。

 例えば、野球帽にスウェット上下のおっちゃん同士がビールとイカ玉でパ・リーグを応援しているカウンターに、リュックを提げた若者がズカズカ入り込んできて「雑誌を見たんですけどォ、イカが美味しいんですよねェ。どこ産のイカなんですかァ。あ、お水いただけますゥ。ワッ、なんだかベタベタしてるなあ。ここ拭いてもらえますか」なんて所作は即、大ブーイングのレッドカード。子どもが奇声を発するかの如きかかる言動は場を乱した以上の対象になる。

  その「街のルール・しきたり」を身につけるトレーニング場となるのが、関西ではお好み焼き屋であることが多い。そこらへんの街の機微がわからない人間は、(年齢的に限らず)子ども呼ばわりされてしまう。だからよその街のお好み焼き屋では少なからぬ緊張感が伴うのだ。

 お好み焼き屋では、これはなぜかわからないが、近所のおっちゃん客が正しいと決まっている。もっと正しいのは、カウンターの中で忙しくテコを動かしているおばちゃんなのだが。高級レストランはどうあれ、街のお好み焼き屋ではおっちゃんとおばちゃんが正しいプレイヤーなのだから、そうじゃない自分は規格外品。つまり不完全と認識しておかねばならない。

 お好み焼きがえらく小ムズカシくなってまったが、お好み焼きは、当たり前に自分の育った地元の街で食べるものなので、他所の違いはなかなか知り得ないし、知ったところで優劣をわかったふうに語るのは恥ずべき行為だ。

 どこの都市にもあるターミナルビルや都心のド真ン中にある飲食店ビルなどには、どこかよその街(大阪が多い)の名前を冠したお好み焼き屋もあるが、それは、いわばどこかの街のお好み焼き屋だけを違う術でコピー&ペーストして焼いているだけで、その街のリアルなお好み焼きのカウンターと同じ土俵には建てない。

 溶いた小麦粉に加えるだし配合が地元と同じで、ソースは地元から取り寄せているとかではなく、勿論鉄板の厚さ具の大きさでもない。お好み焼きはそういうものではないからだ。と言ったことを知っていれば、各々の街のお好み焼き屋で出会う店主や客が、そこにしかいないかけがえのない存在と思えて楽しい。なんでもないその土地その街のあれこれを表し、かつそれらの気配を細やかなグラデーションで描き出すのが関西のお好み焼き屋なのだ。(おわり)

                    中村貴彦

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