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2009年5月 2日 (土)

【立ち読み】「早蕨」4月号より② 第2回竹内塾報告 長野実践に対する竹内氏のコメント(中)

(「早蕨」4月号所収「生徒にどう応答するか ――実践を記録の言葉に即して読みひらく――」(竹内常一)より)」

1.「なんやねん、こんな時間に」「授業どうした!」

 この言葉は、他の教師にケイタイを没収された山川が西川といっしょに授業中に(授業を抜けて)準備室にやってきたときの長野の言葉である。これにたいして山川が「先生、いまから罰当番やってや!!ケイタイ返してや!!・・」と言っている。そのあとを、長野は「西川は授業に帰し、山川と話しました」と記している。

 たったこれだけのことから色々と言われるのは、長野の意に反するかもしれないが、ここに長野の生徒に対する姿勢がよく出ている。

 第一に、「なんやねん。こんな時間に」「授業どうした!」は、授業から抜けて準備室に「闖入」してきたことを頭から咎めることばとなっている。

第二に、それにたいして山川は罰当番をするから、ケイタイを返してといっている。
これにたいして長野は「まあ、坐りなさい」といって山川と話したとある。ここのところが「話し合った」ではなく「話した」となっているのは、「説教」(説いて教えること)が主題だったことを示している。

このことは、長野が、<罰当番をする>と妥協し、ということは、形式上<罰>は認めたうえで、<ケイタイ返して>と「交渉」にきた山川の言葉を聞き損ねている。いや、そればかりか長野は、山川がかれを交渉相手にできる存在とみなしていること(たとえ、それが脅しの相手とみていたとしても)さらにいえば、話を聞いてくれる教師だとみていたことに気づいていないことを示している。

第三に、連れ立ってきた西野になぜいっしょにきたのかを聞くこともなく、授業中に抜けて出てくるのは規律違反だから教室に帰れといっている。

これらをみると、長野はどうもはじめからかれらと「話し合う」つもりがなかったと思われる。かれらの行動を管理的に咎めて、そのような行動をとるべきではないことを説教・説諭するという姿勢でかれらにたいしている。

だが、かれらの言動は長野が「理解」したようなものでないとしたら、この対応はまったくちがったものとなったのではないか。もしかれらの言動がかれらの意図を越えた客観的な「あること」を含意するものであったとすれば、長野もまたかれらもそれを意識化し、現実化するチャンスを逃がしたことになる。

                  (竹内氏の分析。次回へつづく)


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