【立ち読み】早蕨12月号② 廣木克行氏にきく 「生きづらさ」をかかえる若者と発達の課題②
ヘルプを求める権利を認めない社会
一昨日のNHKのニュースによると、2009年7月までの自殺者は19,000人。大変な勢いで増えているわけですけれども、この自殺の急増と同時に子どもの自殺も増えている。
私はこれらの問題を、不登校の問題を研究してきた立場からこう思います。
不登校の子どもたちは死ぬほどに苦しんだけれど死ななかった。なぜなら彼らは助けを求めることができたからです。死を選ばざるを得なかったほど苦しかった彼らですが、助けを求めることができた。私はこれをヘルプを求める権利と呼んでいますが、不登校の子どもたちはどんな苦しみをどれほどの苦しみを味わったか知れないけれど、助けを求めてくれた子どもたちと私は捉えていますから、その助けをさえ求めることができなった、そういう人たちの中に自殺を避けられなかったという問題があるのではないかと思います。
この問題を考えるときに大事なのは、ヘルプを求めることは人間の権利だという考え方が日本の社会と日本の学校の中できわめて希薄だということです。ヘルプを求めることを権利として子どもたちに教えるカリキュラムがないゆえに、多くの苦しみの中でヘルプを求めることなしに毎年何百人もの子どもたちが死なざるをえない。
(以下略。記録・井沼淳一郎)
●お知らせ
1月10日(日)~11日(祝)は2009大阪高生研総会。右欄参照。だれでも参加できます。左記へメールください。
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