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2010年1月17日 (日)

「盛会御礼!!大阪総会」④ 大満足!の桂蝶六師の落語講座(上)

  牧口です。

 めちゃめちゃ面白い90分間でした。まずは「落語家は、一番初めにおもしろくない噺を教わる」という意味深な発言から始まりました。笑わそう、笑わそうと肩に力が入るとお客は引いていく、まずは笑いの少ない噺で、話し言葉のリズム感とメロディーを身につけるのだそうです。それを蝶六さんは「体にメトロノームを作る」と仰っていました。

  実際に「東の旅の発端」というその噺を実演される際に、小机・拍子木・張り扇といった大阪にはあるが東京では使われない小道具があって、それはなぜかという話になりました。大阪では、谷九の生国魂神社の境内における大道芸として生まれた落語は、道行く人の足を止めるためにそうした鳴り物が必要とされたそうです(一方東京では、発端は同じだったのですが、すぐパトロンがついてお座敷芸になったとか)。

  さて、蝶六さんの実演を聴き、すぐ後について声を上げましたが、もちろんすぐにはうまくは行きません。それでも声の調子や合いの手に入る拍子木・張り扇のリズムから、話し言葉にとって何が大切かはおぼろげながら感じることができました。さらには落語・狂言・大道芸・義太夫の共通点として、「七五調」のリズムと「二字上がり」というメロディー(これは、実際に聞いてみないと説明は難しいです)があるというお話で、書き言葉でも句読点を教えるのは難しいものですが、話し言葉においては体で覚えるしかなく、そのためのテキストが「東の旅の発端」なのだそうです。実際にこれは伝統芸だけでなくいろんな場面で応用が利くそうで、「二字上がり」を意識してしゃべると言葉が下降せず、言葉の表情が活き活きとするということでした(「大根役者の蘇生法」と言っておられました)。

  蝶六さんが講師として行っておられる声優・俳優の専門学校では、これを一年かけて練習するのだそうです。初めは頭で考え、意識しながら読んでいたのが、何回も言葉にすることで体にしみ込み、お腹に入ってくると、ちゃんとした呼吸と間合いで言えるようになるのだそうです。そうやって一年かけて身につけた成果を、次の年に新入生の前で実演させると、新入生が先輩を尊敬するようになるのだとか。蝶六さん、教師としても心憎い演出です。演劇の世界の人は新しいテキストを次々に考えようとするが、学ぶ方はそれを必死で追いかけてもなかなか身につかない。むしろ同じものを繰り返し読み、「型」を学ぶことで、呼吸術が身につくそうです。ちなみに専門学校生の中で、それまでに柔道や野球など、基礎訓練として同じことを何度も繰り返す訓練を積んできた生徒ほど、「型」がすっと入っていくそうです。

(つづきます) 

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