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2010年8月17日 (火)

北海道大会に感謝(報告2)

こんにちは、首藤です。大会報告というか、いくぶん私の感想や意見を交えることになりますが、勝手に報告を行います。

 まず、全体会ⅠとⅡ まずⅡの田中容子さんの基調発題から。これはそれまでの基調とは異なり、授業と生活指導の関係を正面から扱っていて、私にはとても大きな意味がありました。田中さんは、タイトルの「授業を生活指導を問い返す」という生活指導という言葉の意味について、「もともとその言葉が使われ始めたときに、学校教育の中で教育の内容を子どもたちの生活の文脈からとらえなおして、子どもたちが自分の生活を主体的に生きていくように育つための学校教育の中味をつくっていこうという努力の中で使われてきた言葉ととらえ、その意味で使っている。」と述べています。

 そして田中さんの授業には、「高校生にとって本当に必要な学びとは何か」ということ、そしてそれをどのような関係性(教師-生徒、生徒-生徒、生徒-学習集団)の中で学ぶのかという問題、そして生徒がどのような思考や活動のプロセスをたどりながら知識や思考方法を獲得していくのかという具体的な「学び方」(これは教師の指導に大きく関わります)に 大きな示唆をあたえるも
のだったと思うのです。田中さんの報告は『高校生活指導』185号に載っていますのでご覧戴きたいと思います。

 田中さんの授業の目標は、どんな学力の生徒でも、辞書を引けば何とか英文が読めて話せる力をつけることだとはっきりしています。その目標設定の中で、生徒のつまづく箇所や思考パターンを的確に予想しながら教材の選定と授業方法を考えています。また、グループの共同作業も取り入れています。また、とりあげられる教材もチャップリンの独裁者の演説であったり、海外からみた日本という視点の英語ニュースであったりします。
そこには「教科学習がものの見方を鍛える」という田中さんの信念のようなものを感じます。

 また田中さんの授業は、生徒どうしの関係性を再構成したり、生徒自身が集団の中で内省的な自己対話を深めながら、新しい自分をつくっていくように考えられていて、まさに練りに練った授業だと思いました。そういう意味で、田中さんの授業には生徒の心と身体を他者と世界に開き、その応答の中で新しい自分をつくっていく可能性を大きくもった授業なのだとおもいました。

 報告・質疑のあとの討論で感じたことは、やはり教科教育と教科外教育(特別活動)は切り離されたものではなく、教科教育と生活指導は不可分のものではないかということです。会場からは「生活指導は、子どもたちが自分の幸せをつくっていけるようにしてあげること、不幸せから抜け出せるようにその手だてを子どもたちに発見させるようにすること、どういう生活をつくれば幸せになることができるかを教えること」だという発言がありましたが、まさにそこには生徒が何をどう学ばねばならないかという「教師の構え」(あるいは思想性)の問題があると思います。

 授業の中で生徒は何をどう学ぶのか、教師対生徒の1対多数の閉じた関係性の中ではなく、教師を中心に生徒同士が教材を通じて応答しつつ他者と関係をつくりながら学ぶ。それが、新しい自分を生み出す力となり、そして自分を幸せにする世界を構想してその世界をつくるためにまた他者とつながっていく授業。そうした授業構想を教師がもつことがあらためて大切なのだと思った次第です。

 では、こうした田中さんの「教師性」ということと、全体会Ⅰの庄井先生の講演のかかわりについて次は考えたいと思います。

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