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2010年10月17日 (日)

【立ち読み】早蕨・全国大会報告号⑥ 多喜二さんへ(上)

全国大会前日の「プレツアー」を担当した中村さんからは、「プレツアーの報告に代えて」ということで、小林多喜二へ宛てた文章が掲載されている。
 全文を紹介します。

<以下>

 高生研大会応援プレツアー。担当になったものの正直気乗りがしなかった。ビバハウスにはこれまで三度訪ねている。小樽はすっかりチャラチャラした観光地と化し、ニッカ工場も北星余市も訪問済み!? 新千歳に着いたら他にも行きたいところもあるのに…。

 ただ、小樽で小林多喜二ゆかりの場所を案内してくださるという。お恥ずかしいハナシだが国語の教師をしている身でありながら、多喜二やプロレタリア文学については文学史のテキストレベルの知識しか持ち合わせていない。出発前、安達尚男先生から「どなたか、多喜二文学碑の前で、多喜二に語りかけることも考えてみては」と言われていた。時間と雰囲気が許せば…と付け焼き刃ではあるが、多喜二のことを学習して、こっそり原稿を書いて来道した。

 しかし、文学碑周辺はあの蚊の群れ。あらたまって語りかけるというムードでもなく原稿はそのまま持ち帰った。
 プレツアーの報告を、と要請されたが思い出して書くのも正直億劫になって、じゃあ叱言を承知で拙稿に日の目をと。ご笑読いただきたい。

多喜二さんへ
みんなで市立文学館を訪ねました。文学館であなたが占める位置はかなりのものでした。「運動」だとか「労働」だとかが死語になりかかって久しい時代にも、さすがに小樽ではあなたは市民権を持ち続けたようです。でも、文学館でいっしょの他の小樽ゆかりの文学者、例えば伊藤整やプロレタリア詩人だった小熊秀雄でさえも、あなたとは異質な存在です。彼らの場合、入館者は気軽に展示を見ることができます。でも、あなたのコーナーは英雄の近づき難さに拷問死という忌まわしさが重なって、とてもそうはいきません。と同時に、世間一般では小林多喜二は忘れ去られた存在。そうなんです。三十年このかた、特にソ連崩壊後、あなたの名前は無関心、無頓着で迎えられるか、あるいは嫌悪を引き起こすものになっていました。「今さら、小林多喜二?」です。
 
ところが、今までとは逆に、あなたに対する無関心が関心に転化する時点に出会ったのです。


(つづく。中村貴彦。「早蕨」全国大会報告号。「早蕨」購読希望の方は、左記へメールを)

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