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2011年9月の投稿

2011年9月30日 (金)

【立ち読み】「高校生活指導」秋号① 「市民を育てる教育の再構築のために」

 今号では、私学の状況を藤田隆介さんが書いてます。

 空前のサバイバル競争激化の大阪で

 大阪府では今春から「橋下改革」の名の下に、年収610万円未満家庭の私立高校生の授業料を公費で補助し、「無償化」を実施した。これは長年にわたる要求実現運動で大阪府民が勝ち取ってきた独自の「私立高校生授業料軽減補助制度」(橋下知事は就任当初、この制度を「無駄遣いだ」と猛烈に攻撃していた)に、国からの「高校授業料無償化」の財源を加え、発展・実現させた府民の成果であった。

 一方で、知事はそれまで生徒募集の困難な小規模校やクラス定員、専任率、授業料などに配慮し、行き届いた教育を実現しようとする「小さな私学」に対して手厚く支給するため傾斜配分されてきた「経常費助成金」の「配分基準」の抜本的な見直しを強行した。

 まず経常費助成金を生徒在籍数に応じて「パーヘッドの原則(=生徒単価を均等)」により配分(国基準を10%カットした一人あたり27.7万円は全国46位。東京都は38.7万円である。2009年度)、さらにカット分の2億円を府内公私立高校の「難関国立大への合格者数」や「甲子園など団体種目で全国大会優勝」「TOEFLで高得点」など府が定める※1「がんばった学校支援事業」の「基準」に応じて、目に見える「成果」を生み出した学校に支給するというもの。これは実質的な「バウチャー制」と成果主義の導入によって、公私間、私私間、公公間の生徒獲得競争をあおり、「必要とされなくなった高校は退場(廃校)してもらう」(橋下知事)という新自由主義的「高校大リストラ計画」であり、公教育解体を画策するものであった。

 果たして、今春の高校入試では従来の公私共存バランス(受け入れ収容比率が7対3)の「生態系」に大きな異変が生じ、公立高校の40%近くが入学定員を確保できず、全体で1400名を超える欠員を生み出すという前代未聞の事態となった。かたや私立高校は2700名に及ぶ定員超過となり、定員の二倍以上(800名、二四クラス)もの入学生を受け入れる「超すし詰め学校」まで現れた。
 
  (下略。「高校生活指導」秋号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

2011年9月29日 (木)

大阪高生研・秋の連続企画第2弾 『セーフティネットの学校づくり・序章』

大阪高生研 10月例会
『セーフティネットの学校づくり・序章』
                          ~定員割れ高校の逆襲!?~
                                 報告:長野仁志 (大阪府立高校)
 
 先日発表された、大阪維新の会による「教育基本条例案」では、3年連続定員割れの府立学校は廃校になるといいます。

 しかし、定員割れの学校(それが何年続いていようと)であっても、そこに通う生徒にとっては大切な学びと発達の場です。むしろ、そうした学校ほど、背負いきれない生きづらさを抱えて、けなげにがんばっている生徒たちの姿があります。

 いま、求められているのは、生徒たちが他者や世界との豊かな関係性をつくりつつ、生きづらさを乗り越えていく「学び」と、全面的な発達を保障するダイナミックな生活指導実践ではないでしょうか。その学びと実践はどうすれば可能なのでしょうか。緒についたとりくみを検証し、教育と労働と福祉をつなぐ「セーフティネットとしての高校」のあり方を考えあいたいと思います。  

    日時:10月15日(土)
      午後3:00~7:00 
    場所:大阪市立社会福祉センター
      第3・4会議室  
    アクセス:近鉄大阪線上本町駅 徒歩3分
        地下鉄谷町線谷町9丁目駅 徒歩7分
      ※谷町六丁目にある、大阪社会福祉会館や大阪社会福祉指導センター、
        大阪谷町福祉センターではありません。ご注意下さい。

◎どなたでも参加できます。資料作成のため、「参加するよ」という方、左欄の「メール送信」に連絡いただけると幸いです。

2011年9月28日 (水)

【立ち読み】「早蕨」8月号⑩ 「文化祭見てある記~心に残るセレクション」番外編

「大阪」にとどまらず、東京まで取材の詫磨氏……。
東京・上野高校の文化祭です。

(前略)
 5月頃だったと思うが、見て歩きDVDのダビングの依頼。創立80年を超す伝統校で、上野公園が通学路という環境ながら、文化祭が今一つなのでなんとかしたいとのこと。何枚か送った。
 18, 19,20日は3連休。18日(土)は予定あり。19日ならいけるぞ。

 都立上野高校といえば、新々文化祭企画読本で水泳部の男子部員のラインダンスが紹介されている。見たい。

 19日朝、ビデオと三脚を担いで新幹線に飛び乗る。

 10:00頃到着。広報委員長のAさんにさっそくインタビュー。二日間で外来者4000人を目指しているとのこと。

 今日は、開会式までたいへんですね、と言うと「いえ、今日は後片付けでいっぱいいっぱい。明日の休みの日にスライドショーをつくって21日に閉会式をやる」とのこと。

 上高は生徒会という組織が存在せず、有志制度。文化祭、運動会、球技大会などはすべてやりたい有志が生徒集会の承認の下、実行委員として行事の運営に携わるという。過去、行事がなかった年もあるとか。生徒会がなくなったのは、学園紛争のころか。

(後略。「早蕨」8月号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

2011年9月27日 (火)

「橋下さん大好き!48連発」(下)

「48連発」をめざして「この条例に賛成!」「だから橋下さん好き!」を集めてみると、出るわ出るわ、60超え。

41・日の丸君が代、尊重しないなんて自由のはき違えやん。
42・モンスターペアレントを許しておいたら、それこそ学校がガタガタになるやん。
43・小学校から成績公表して子どものやる気につなげるのがプロの教師やん。
44・大阪みたいに交通の便がいいところで学区を分けるメリットないやん。
45・その学校に魅力があれば定員割れなんて起きないはずやん。
46・せめて学力テストでもう少し上位の大阪になってほしいやん。
47・貧困多いからこそ教育は大事。先生はもっとびしびしやって子どもにちからをつけるべきやん。
48・世界はどんどん変化していってる。インドや中国を見てよ。「教育は中立」なんて言ってたら世界から取り残されやん。
49・先生が力量アップしなければ何をやってもダメやん。だから信賞必罰の成績評価は当然やん。
50・今の若者はひ弱ですぐ競争から降りてしまう。小さいときから鍛える必要あるやん。
51・民間から校長をどんどん入れると学校は活性化するやん。
52・公立学校は時代遅れ。すべて私立にして切磋琢磨で経営力をつけるべきやん。
53・給料高い年配教師が多いから、若い教師が少なすぎる。早くやめてもらって若手入れたほうがええやん。
54・民主主義の世の中やから、多数決で決まったことには、従うのはあたりまえやん。
55・身分守られているからって好きなこと言うのはおかしい。言いたいことあったらやめてから言うべきやん。
56・教師は思想的に偏ってるから、ほっといたら偏った教科書を選ぶやん。
57・生活保護費で窮している大阪市を救えるのは、橋下さんしかいないやん。
58・橋下さんは有名人やから些細なことでもメディアに取り上げられて、わたしたちが監視できるやん。あかんことしようとしても、こっそりできひんやん。
59・教師は「君が代」強制するなとか言いながら、校歌とか校則とか強制してるやん。
60・限られた予算しかないんやから、エリートをしっかり鍛えたほうが返ってくるもの大きいやん。いっぱい税金納めてくれる人が育つやん。
61・しょーもない議員は口だけ立派なこと言ってなにもせえへんけど、橋下さんはきっちり行動するやん。
62・公務員のリストラをやることで、大阪府の借金を確実に減らしてるやん。
63・縁故採用が多くて,、しかも採用されたら仕事も満足にやってないのにとがめられない。そんな公務員をナントカしてくれるのは橋下さんしかいないじゃないやん。
64・財政事情とか、大阪の問題点を公開してくれたのは橋下さん。それまで全然明らかにされてなかったやん。
65・グダグダ文句や揚げ足とり言ってる暇あったら、リコールか行政訴訟でも起こしてみたらええやん。
66・限られた時間のなかで案件はいっぱいある。決めるときは一気に決めないと、議論ばっかで何もコトが進まないやん。 

      ●●●

中には、今までの教育のあり方を謙虚に問い返さねばならないものがあります。

でも、「それは違うよ。この条例通ったら、今まで大阪の教育が大切にしてきたものがめちゃくちゃになるよ」というものが大半だ。

いま、1つ1つ、「事実に基づいた」反証を試みています。
11月を目標に、ブックレットとして緊急出版予定です。

2011年9月26日 (月)

「橋下さん大好き! 48連発」(中)

21・私学はやっぱり競争原理の中だからがんばってるやん。
22・公務員はなんやかんや言うても金持ちやん。
23・がんばってる先生とがんばってない先生、差があるやん。
24・がんばってない先生に当たったら、子どもがかわいそうやん。
25・民間はどこも評価してるやん。
26・橋下さんはいろんな人とつながりあるやん。
27・先生ってサボってるから、これぐらいせんといかんやん。
28・最近の親、なってないやん。
29・知事が目標決めるのがいやなら選挙で落としたらええやん。
30・知事変わったからここまで教育界も変わったやん。別の人が知事になったらまた戻るから条例必要やん。
31・知事や議員には選挙でチェックされる。公務員も必要やん。
32・先生は子どものこと評価してるやん。
33・今の世の中で、戦前みたいな軍国主義が起こるはずないやん。
34・「教育に強制はなじまない」って、今の学校、強制しまくりやん。
35・いいことはどんどんやってよ。いい目標やったら誰が言ってもいいやん。
36・教師って誰からもチェック受けてないやん。
37・世界標準の人材育成って大切やん。
38・なんやかんや言っても強制しないと、子どもも教師も動かんやん。
39・SとかA取ったらボーナス倍もらえるなんて、やっぱ、教師はええやん。
40・上司の命令で部下が動く。民間じゃあたりまえやん。

                   (つづきます)

2011年9月25日 (日)

「橋下さん大好き! 48連発」(上)

「この条例(教育基本条例)が通ったらゼッタイ被害を被るよ」と思われる人たちが熱狂的に橋下さんを支持――そんな状況に出くわすことがよくあります。

条例にどう対峙する? を考えるため、まずは「この条例に賛成!」「だから橋下さん好き!」の人に取材し集めた「48連発」です。

1・橋下さんはとにかくがんばってる。前例に安住せず、変えようとしているやん。
2・大阪市長の給料は高すぎる。知事は自分の給料をあれだけ下げてがんばってるやん。
3・トンデモ公務員、トンデモ教員が多数存在する。民間が血を吐きながら払う税金をこんなヤツらに払う余裕はないやん。
4・今の子どもの数と同じだった時代の学校数まで戻すべきやん。
5・大阪の今の教育でいいと思っているの? 対案ないやん。
6・きまりを守らない教師は処分されても仕方ないやん。
7・橋下さんのおかげ(※私学無償化)で私学に行けるようになったやん。
8・大阪の学力テスト点数は最低水準だから、それぐらいやらなきゃ教師は働かないやん。
9・テレビに出てる有名人だから、悪い人じゃないやん。
10・維新の議員さんは若くてイケ面だからいいやん。
11・競争せずに甘いこと言ってるから、今の子どもはすぐ病むやん。
12・弁護士である橋下さんが言ってるんだから法的に正しいはずやん。
13・橋下さんは子ども7人も育ててるんだから、親として正しいことを言ってるはずやん。
14・ときどき毒吐くけど、言ってることがおもろいからいいやん。
15・はきはきして明るいから今までの政治家と違うやん。
16・大阪の代表として、目立つからいいやん。
17・世の中変えるには、これぐらいのパワーが必要やん。
18・がんばってる先生はもっとほめてあげるべきやん。
19・今の学校関係者は談合してるから不適格の人を出せないやん。
20・給料減ったと言っても、先生は手当いろいろもらってるやん。

         (つづきます)

2011年9月24日 (土)

【立ち読み】早蕨・8月号⑨ 「藤波心さんのブログ記事を使っての連続紙上討論」

 原発批判記事を掲載するやブログが“炎上”。自称「B級アイドルタレント」である中学生・藤波心さんの、ブログ記事や彼女に寄せられたコメント等を使って、リアルタイムで連続授業を行いました。
高校2年生の日本史の時間です。
 高校生はブログへのアクセスもできるので、その後、ブログを訪れた生徒もたくさんおりました。

 4月の授業びらき、5月の中間試験返却時のあまった時間、7月の期末試験返却時間と、継続的に生徒の感想をきき、返し、生徒の感想群を「分析」し、それに対する再感想、そして心さんのリツイート「きっかけ」を読んでの感想……しつこく意見のキャッチボールを続けました。

 心さんに共感する意見が数多くあるものの、表現に対する批判等は多くありました。
  (佐藤功。下略。「早蕨」8月号購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

2011年9月23日 (金)

連続で講座します。

呼んでいただき、ありがとうございます。

どうぞお越し!

●京都府高市内ブロック教研「センセのがっこ」
10月1日(土)
京都教育文化センター
13:30~17:00

●三教組北勢高支部教研
10月2日(日)
三重県立四日市四郷高校
13:00~15:00               

2011年9月22日 (木)

【立ち読み】早蕨・8月号⑧ イケ麺ず&スイーツ・パラダイス第10回

茶寮都路里 祇園本店

京阪祇園市場駅を降りて四条通を5分ほど歩けば、祇園辻利本店の文字。芳しい宇治茶の香りを楽しみながら、2階に上がると「都路里(つじり)」がある。明るくゆったりとした店内では、お抹茶はもちろん、お団子、あんみつ、かき氷、ぜんざいなどのスイーツを味わうことができる。
                                       
しかし、何といっても一番のお薦めは色鮮やかなパフェ。例えば、特選都路里パフェ(1231円)(写真)には、抹茶のアイス・カステラ・ゼリー・団子・栗の甘煮・白玉団子・あずき・ほうじ茶ゼリー・寒天が入っていて、これ一つで様々な味と食感を楽しむことができる。平日でも5,6組は待っているが、ショーケースのメニューを見ながらどれにしようか迷っているとすぐに順番が来てしまう。また、季節ごとや、他の店舗(京都伊勢丹店、高台寺店、東京汐留店、東京大丸店)ごとのメニューがあるので制覇するには時間がかかるかも??

 ちなみに、「都路里」という名前は「辻利」の名に京の都の「都」、四条大路の「路」、茶の里(宇治)の「里」をあてて名付けられている。そんな豆知識を披露しながら、にぎやかな街を少し離れて友人や恋人とまったりするのはいかが?

(取材・A。「早蕨」8月号購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

2011年9月21日 (水)

「言葉を失った」話(下)

           (つづきです)

  同僚の先生方から「先生自身どうしたいの?」「先生は彼に対して何も要求はないの?」と言われ、言葉を失った。今まで生徒に対して、何も問題を起こすな、という指導ばかりして、立派な人間になり、社会に貢献出来る人間になって欲しいという要求はしてこなかった。

また、担任として「誰一人見捨てず、一人も欠けることなく卒業させたい」という思いが強くなった。」そこで思い切って2ヶ月間本人が希望する現場仕事に行かせることを決意し、「本気で頑張ってこい。いけると思ったらその仕事を一生がんばり。無理やったらいつでも戻ってきていいんやから」と彼を見送った。現場で様々な年の人たちと話をする中で、社会の中で自分を見つめ直してきた彼は、少しずつ変わり始めた。「仕事どうや?」と声をかければ、ぽつりぽつりとでも自分の気持ちを語り出すようになっていた。このことで、何をするにも「自分の思いの押しつけ」ではなく「見通しを持ったきっかけ作り」をして、成長を待つことが生徒のためになるということに気づかされた。「私に何が出来るか」ではなく「君たちに何が出来るか」である。

彼は2ヶ月後、電話でこう語った。「俺、明日から学校行く。卒業するから」彼は人間関係で悩み傷つき、挫折を味わいながらも、同時に人とつながりあえる喜びを感じ、一歩ずつ前に進んでいる。失敗が問題なのではなく、出来ない自分を過剰に責め続け、殻にこもることで、自分の世界を狭めてきてしまったのである。「やり直しのきく自分づくり」に、ほかでもない自分自身がしっかり向き合い、それを得たと実感できたとき、見違えるように積極的になり、外に向かう力を得る。「安心して失敗でき、何度でもやり直しができる空間づくり」が大切であることに私自身気づかされた。失敗できない、失敗したら終わりではなく、多くの葛藤や挫折を経たことで、それ以前の自分を相対化し、乗り越える力をつけられる。仲間とクラスでの行事づくりや授業での学び、クラブ活動を通して、学校が安心できる空間となり、自分の「居場所」となるのだ。その空間の中で、バラバラである人間がつながり合う具体的な場面を作ることで、喜びも悲しみも苦しみも共有し合い、お互いを高め合っていく。そのような空間や状況をこれからも追求していきたい。

                            (S(私立高校)。おわり)

2011年9月20日 (火)

「言葉を失った」話(上)

  私は私立高校に常勤講師として勤めているが、来年度の正規採用に向けて現在準備を進めている。その中で、当然志望理由書を書かなければならない。以下の文章は、その志望理由書の一部分だが、内容が内容だけに全面改訂を迫られた。まぁ、無理もないか…。

 「こんな学校、辞めたるわ」こう叫びながら教室のゴミ箱に教科書を投げ捨てた。中学生のとき、心に深く傷を負い、不登校になった彼は、高校生活にも希望が見出せず、教室にも居場所がなかった。生徒指導上の問題を数多く抱え、何かきっかけがあれば退学するつもりで日々過ごしていた。彼が2年生の時に担任となった私は、何も事件を起こさないで欲しいと常に祈っていたが、頭髪指導に不満を感じた翌日、教科書を投げ捨て、退学届けを持ってきたのだった。当初、私は学校の規則に従わない者は辞めても良いと考えていた。自分自身に合った進路に進むことこそが本人の幸せであり、無理に学校に残すことは、担任のエゴに過ぎないのではないかという思いもあった。

 そんなとき、同僚の先生方から「先生自身どうしたいの?」「先生は彼に対して何も要求はないの?」と言われ、言葉を失った。今まで生徒に対して、何も問題を起こすな、という指導ばかりして、立派な人間になり、社会に貢献出来る人間になって欲しいという要求はしてこなかった。

     (S(私立高校)。つづく)

2011年9月19日 (月)

『つなみ』の力・・・

1年生の「総合的な学習の時間」で、大震災を作文にした80人の子どもたちによる文集『つなみ』(文藝春秋増刊号)から2つの作文をとりあげました。まずは、NHKスペシャル『巨大津波』の冒頭の部分で津波の恐ろしい様子を5分ほど視聴。もう生徒たちは画面に釘付けです。そして、作文から『止まれえ~、止まれえ~っ』(東松島市・小学校3年生のSさんの作文)を読みます。淡々と見たこと経験したことが綴られ、素直な思いが記されています。ふだんガチャガチャすることの多い生徒たちも、真剣に字を追っています。わたしがとても感じ入った場面は、お母さんにやっと再会した場面なのですが、読んでいて思わず泣けてきました。その後、もう1編『おかあさんを必ず見つけます』(大槌町・小学校5年生のYさんの作文)を読みました。これは、作文用紙のまま掲載されています。最後の2行。「みんな、がんばりましょう」には泣けます。作文を読んだあと、この文集をとりあげたNHKのクローズアップ現代を視聴し、Yさんの今の生活やお父さんの思いの部分を視聴しました。

生徒たちはいつになく真剣に聞いてくれてよかったと思います。この授業のねらいは、まず大震災を忘れないことです。あれだけの辛く苦しい思いをした人たちがいることを忘れてはいけないということ。大阪にいるとどうしても遠い世界のように思えてきます。そして、子どもたちの作文からきっと生徒たちはいろんなことを感じてくれるだろうということ。感じ方はそれぞれでいいのですが、私は、つらい体験の中で何とかそれを受け止め、がんばっている子どもたちそれぞれの思いに共感してほしいなあと思っていました。

今度は「現代社会」で原発事故・原発をとりあげようと思っています。これも現在進行形の重大な問題です。生徒たちと共に向き合って考えたいと思います。(S)

2011年9月18日 (日)

【立ち読み】早蕨・8月号⑦「震災」と「原発」を授業でどのように取り上げたか④ 福島第一原発事故に関する取り組み

  中高一貫の学校に勤めるK先生(理科)の報告です。

●始業式後のHR
東北大震災時の福島第一原発事故が持つ意味を説明し、物理の教師として、このような事故を起こすことを防げなかった大人の一人として、クラスの生徒に詫びる。政府の言っていること、東京電力の説明は、この事故をできるだけ小さく見せようとして情報を小出しにしていることを説明する。原発事故の様子がはっきりとしない現在では、たとえボランティアであっても東北に行ってはいけないことを伝える。

●授業びらき
 担当教科は、高校総合(普通科)2年物理9h、SSC(スーパーサイエンスコース)3年物理Ⅱ3h、高校総合(普通科)3年文系選択物理3h、高校総合(普通科)3年総合ゼミ2h

 それぞれのクラスで、海外メディア(BBC、U-Tubeなど)と日本政府や東京電力の情報と比較させながら、福島原発事故の現状を生徒に伝える。生徒から「先生、私たちこれからどうしたらいい?」と聞かれたとき、「先生にもどうしたらよいかわからない。今すぐできる行動提起はできないが、先生の思いとしては、今後このような大事故が起こらないように、これからの日本のあり方をともに考えてほしい。そのためにも真実を知る力をつけること、今、目の前にある勉強をきちんとこなすことが必要だと思う。」と答えた。

  (下略。「早蕨」8月号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

2011年9月17日 (土)

「高校生活指導」190号完成です。

もう送られてきましたか?

機関誌も「新機関誌」を模索しているので、現発送を担当されているUさん(埼玉)から、

「(発送作業は)2人で2時間半くらいで出来ました。入金データの入力、データ処理、振込用紙作成、封筒印刷で前日に3時間くらいの作業をしています」

と、発送作業の詳細も報告いただいてます。

いろんな方々の苦労・尽力でできあがっているんですね。

大阪からの寄稿は、藤田隆介さんの実践(「商大堺高校の学校づくり」)と、北岡佳奈さんの「センセーのワザ」(「学校行事がリーダーをつくる 育てる)、そして井沼淳一郎さんの公開講座報告(「4つの質問」)です。

2011年9月16日 (金)

【立ち読み】早蕨・8月号⑥ ミニ報告③ 「震災」と「原発」を授業でどのように取り上げたか

倫理、政治経済の授業で取りあげた、T先生の報告です。

<以下>

私は総合選択制普通科高校での三年生の授業、選択「心の世界(倫理)」と必修「政治経済」でどのように「震災」「原発」の問題を取り上げたかを報告しました。 

1.「心の世界」(倫理)で「津波ですべてを失った青年」をどう取り上げたか?

 4月当初は毎年ヤスパースの哲学の(ものを考える)三つの動機「驚き」「疑い」「喪失」から始めています。例年ならその後すぐに『ソフィーの世界』に入るところを、今回は、皆と変わらない日常を送っていた同年代の青年が先の津波によって家族もすべて一度に失う、という過酷な非日常の世界に放り込まれた例を取り上げ、生徒達にこの三つの問いをより「切実な問い」として感じ、考え始めさせたいと思いました。

「避難所でボランティアを始めた沼田君」(資料アエラ、新聞記事)について皆で資料を読んだ後、三つの点についてノートにまとめさせ、後で発表させ、それを板書し私のコメントを入れていく形を取りました。新学期早々で生徒同士の意見交換まではなかなかいきませんでしたが、生徒達は他の生徒の感想に関心を持って聞き入っていました。
 
(下略。「早蕨」8月号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

2011年9月15日 (木)

【再送】9月19日(月)の拡大事務局会議

  大阪高生研では、今議会に出されようとしている「教育基本条例」について、高生研らしく実践の中から捉え、反撃していこうと、秋の連続的な取り組みを考えています。

第1弾は、9月19日事務局会議での学習会(神戸大学の山下先生のお話を聞きます)。
第2弾は、10月15日(土)ロングラン実践分析「定員割れ高校の逆襲!?-セーフティーネットとしての学校へ-」(仮題)。
そして第3弾は10月末~11月初旬に、今まで築いてきた各方面の方々とともに、この問題について考える企画を。

是非ご予定ください。

9月19日(月)の拡大事務局会議の時程が決まりました。

13:00~15:00 事務局会議(議事:1.10月例会のとりくみ、秋のとりくみ 教育条例素案へのとりくみ 大阪総会 等々)
15:15~17:00 学習会 山下晃一先生 「教育制度の側面から大阪の高校教育について」(仮題)

場所:クレオ大阪東(JR京阪京橋駅下車10分)で。
「拡大」ですから、会員の方どなたでも参加可です。

2011年9月14日 (水)

【立ち読み】早蕨・8月号⑤ 奇跡のパワースポット巡り 京都・こんどこそ完結編

●宇治川
人麻呂が川の畔で詠んだ「もののふの八十宇治川の網代木にいさよふ波の行くへ知らずも」の歌通りに、ここに佇み、川の流れを見つめていると、なんともいえず無常感が感じられます。

 心の澱を流しきれいな気持ちで京都で一番古い宇治上神社へお参りしましょう。ここの立砂いいですよ。神が降臨してくることが感じられるパワースポットです。疲れたら、平等院の参道のお店で宇治茶飲むのもいいかも。夏場は此処で鵜飼が楽しめます。

●松尾寺
京の西を守護する白虎の地、霊気漂う松尾山と古社が一体化している。酒の神として知られている。境内では、大きな酒樽を利用して樽占いもしています。あちらこちらに亀と鯉が祭られています。

奧に行くと亀の井があり、不老長寿の霊水が湧くと信じられ、水を汲みに来る人が後を断ちませんでした。この水を酒に使うと腐らないとされ酒造業の人々に篤い信仰を集めています。その上に霊亀の滝がありなかなか不思議なところです。庭も素晴らしく、重森三玲の斬新なプリミティブなパワ―を感じるのも特徴です。ついでに、酒造記念館の横のもり漬け物のお姉さんがとても愛想よくまた買いにいこうと思います。

(F。ほかに石清水八幡宮、松尾神社など。「早蕨」8月号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

2011年9月13日 (火)

写真家・長島義明さん報告&講演会

大阪大会で「アフガンからの風」を語っていただいた長島義明さん、念願かなって31年ぶりのアフガン再訪を果たされました。
今回、貴重な画像・映像を交えながらのトーク2題です。

三陸とアフガン。2つの地域に集約的に表れた現代社会の宿痾が長島さんのカメラにどう写されたか。

【講 演】写真家・長島義明さん
【進 行】アナウンサー阿部京子さん
【開 催】平成23年9月15日(木)19時~(会費1,000円)
     龍谷大学・大阪梅田キャンパス ( 関西会inOSAKA)
     
http://www.ryukoku.ac.jp/osaka_office/access/index.html
     懇親会 21時~(会費は実費)

※長島氏のプロフィールは下のとおりです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%B3%B6%E7%BE%A9%E6%98%8E

【講演内容】
■東日本大震災から半年 “あの時”を語る
東日本大震災は発生から9月11日で半年となりますが、東という域を越えて、今なおこの国を揺さぶり続けています。長島さんは三陸の被災地を10日間、延べ100キロにおよぶ取材を敢行し、被災地の様子を2,000枚有余の写真に記録しました。
長島さんは被災地の様子に「魔物が通り過ぎたような」恐怖を覚えたといいます。長島さんの悲しみ、そして鎮魂の思いを現場写真とともに語っていただきます。
長島さんがそうであるように、わたしたちにも、あの阪神淡路大震災の“あの時”の記憶が重なります。

■約束の写真 アフガニスタンへの旅 ※ビデオ映像あり
この夏、長島さんは積年の願いであったアフガニスタン再訪を34年ぶりに果たしました。それは長島さんがアフガニスタンの子どもたちと約束した一枚の写真を届ける旅でした。その意外な顛末は・・・。長島さんが目にし、肌で感じた現在のアフガニスタンをビデオ映像を交えながら報告していただきます。

2011年9月12日 (月)

【立ち読み】早蕨・8月号④ ミニ報告② 英字新聞を活用し、授業で震災を語る

(前略)

「今も英字新聞の取り組みをしています。震災・原発についても扱いました。よかったら資料をM先生宛てにお送りしますよ。」

何とも温かいお言葉!大阪高生研の7月例会にも興味を示してくださいましたが、あいにく先約があるということで、Mが代理で発表させてもらうことをお願いし、快諾いただきました。

Mの勤務先に届いた資料は、全16号+αの大盛り!ほとんど毎週「英語通信」を発行されています。
内容は、英字新聞のタイトルのみを生徒に和訳をさせるという方法で、授業の最初10分をこの活動に充てているそうです。生徒が行う作業としては少ないながら、「英語通信」の中身は、英字新聞記事の隣に、それに対応する日本語の記事を掲載しています。記事に対する生徒の感想を求めることもあり、その感想文も次の号で掲載されています。しかも、先生の手書きで!プリントを丁寧に作られているなぁという印象を受けます。

(後略「早蕨」8月号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

2011年9月11日 (日)

大阪高生研10月例会のご案内

大阪高生研10月例会のご案内です。ぜひご予定ください。

10月15日(土)3:00~7:00pm 

大阪市立社会福祉センター第3,4会議室

(大阪上本町下車徒歩7分・谷町9丁目下車10分)

実践分析:『セーフティネットとしての学校づくり・序章~「定員割れ高校」の“逆襲”~』(仮題) 

報告:大阪府立高校 長野仁志

大阪のとある全日制普通科府立高校。生徒たちの多くがさまざまな「生きづらさ」を抱え、そして多くの生徒が中退していきます。「3年連続定員割れの高校は廃校」という条例案が話題となる中、どうすれば、生徒たちの発達の権利を保障できる「セーフティネットとしての学校」をつくることができるのか模索が始まっています。1学期のとりくみの様子をレポートし、参加者とともに考えます。

2011年9月10日 (土)

9月19日(月)は拡大事務局会議

  大阪高生研では、今議会に出されようとしている「教育基本条例」について、高生研らしく実践の中から捉え、反撃していこうと、秋の連続的な取り組みを考えています。

第1弾は、9月19日事務局会議での学習会(神戸大学の山下先生のお話を聞きます)。
第2弾は、10月15日(土)ロングラン実践分析「定員割れ高校の逆襲!?-セーフティーネットとしての学校へ-」(仮題)。
そして第3弾は10月末~11月初旬に、今まで築いてきた各方面の方々とともに、この問題について考える企画を。

是非ご予定ください。

9月19日(月)の拡大事務局会議(山下晃一さん(神戸大)の話をきき、この秋の活動を展望する)は1:30~5:00pm クレオ大阪東(JR京阪京橋駅下車10分)で。
「拡大」ですから、会員の方どなたでも参加可です。

2011年9月 9日 (金)

【立ち読み】早蕨・8月号③ ミニ報告①「東日本大震災被災地応援実行委員会」の取り組みについて

 京都のWさんより、総合学習を発展させた形のミニ報告です。

(前略)

総合学習での取り組みを背景に、1学期の始業式にて有志を募り、実行委員会を立ち上げた。4月30日の応援イベントを第一段階の取り組みとして、その内容を実行委員が企画・実行した。応援イベントの内容は、

①クラブ員による演技・演奏
②卒業生、保護者による歌
③現地救済活動者による講演
④義援金を集めるためのバザーやオリジナルタオルの販売
 
などである。(4月30日応援イベントの様子はDVDに収録した。DVDを販売することで、義援金集めもしている。詳しくはDVDを参照されたい。)さらに、実行委員は、毎日「轍」というたよりを発行し、実行委員会の活動内容や実行委員の思いを校内外に伝えていった。
実行委員会の取り組みと並行して、総合学習の時間には、世界からの被災地へのメッセージ映像を観たり、支援物資のノートにはるメッセージを書いたりした。

(後略「早蕨」8月号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

2011年9月 8日 (木)

MBSニュースでの首藤さん【動画】

おととい(9/6)行われた「教育基本条例反対府民集会」は800名定員の会場が立ち見が出るほどの人手。

そのなかのリレートークで、首藤さんが「教員代表」的扱いで発言。
実際に家庭訪問で発見した生徒の生きづらさあふれる話。「ゼロトレランスで管理的な対応」をしてきた事への痛苦の反省。現場だから語れる話に、「ぐっときた」との感想も。

 以下で動画が見られます。

http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE110907010200491645.shtml

2011年9月 7日 (水)

【立ち読み】早蕨・8月号② 東北被災地見聞:石巻、女川、そして福島を歩いてみた…

  今号の特集は、7月例会、「「震災」「原発」を教室でどう語っていますか」。
 まずは井沼さんの「歩いてみた」。

(前略)

3.11から5ヶ月。メディアから流される現地映像や報道を前に、「大阪にいる自分にできることは何があるのか?」を考えてきた。自身を振り返ると、社会科教師でありながら、「原発」を私たちの抜き差しならない問題として語ってこなかったことに忸怩たる思いがあった。
7月15日から18日、井沼、中村、佐藤の3人は、K先生のお誘いで秋田高教組での講演とワークショップを行った足で石巻、女川へ。福島のSさんの紹介で現地の災害対策連絡会議のKさん(元宮城高教組委員長)に案内をお願いした。

  (中略)

Kさんが通った門脇小学校。津波と石油タンクの炎上で黒こげになった校舎には、いくつかのランドセルがそのまま転がっていた。幸いにも子どもたちは全員無事に避難できたが、小学校区域全体が瓦礫の山に化したため、将来的にここに子どもたちが戻れるかどうかはわからないという。

石巻から隣の女川町に続く小高い峠を登り切ったところで、Kさんは車を止めた。そこからは坂を下って海まで続く女川の街並が見渡せるはずだった。かつて勤務した女川高校(おそらく教師最初の勤務校だったのではないか)への通勤路だったその峠から見る街並は、きっと希望に燃えた青年教師・Kが毎日目にした思い出の風景だったに違いない。だが、そこは本当に何もなかった。石巻線終点の女川駅は線路すらなく、わずかにホームの土台とおぼしきコンクリートが残るだけだった。 (井沼淳一郎)

(後略。「早蕨」8月号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

2011年9月 6日 (火)

「日本生活指導学会」に参加してきました!?①

みなさん、こんばんは。大阪の首藤です。この土日、金沢大学で開かれた「日本生活指導学会」に参加してきました。台風の影響でやはり雨もたくさん降ったようです。金沢大学角間キャンパスは金沢駅から40分ほどかかる自然豊かで広大な敷地を誇るところですが、ホンマに周囲には何もないところです。私は「学会」という組織はよく知りませんが、全国から7~80名の方が来ていたでしょうか。すでに顔見知りの方々もたくさんおられて違和感はなかったですね。

この学会の特徴は、教育学や看護学、矯正教育などの専門家が一堂に会して話し合い、その専門性を尊重しつつ協働して研究しているところだと思います。

 3日の課題研究にはA「困難な課題を抱える「子ども・若者へのかかわりと保護者支援」と題する分科会でした。

2011年9月 5日 (月)

早蕨、「大会特集号」も引き続き

みなさん、こんばんは!

早蕨8月号はお手元に届きましたでしょうか?
原稿依頼の不手際で、執筆者のみなさんには忙しい中、たいへんご迷惑をおかけしました。
そして、たいへんご協力いただきました。
とくに、7月例会で発表いただいた方々には全員原稿をいただき、充実した内容になったこと感謝申し上げます。

さて、早「大会特集号」も引き続き西村が編集します。
大会参加の皆様には8月末を一応の締め切りとして原稿を依頼していたところですが、現在の入稿は8名に留まっています。
未入稿の方には、個人的にもメールをお送りしようと思っていますが、特集号の発送までの日程(予定)をあげておきます。

9月12日(月) 各原稿締め切り(厳守でお願いします)
9月20日(火) 編集作業終了
9月23日(金) 印刷・製本
9月24日(土) 常任合宿にて配布(郵送費節約のため)
9月26日(月)以降 発送

   早蕨大会特集号 編集長 西村 康悦

2011年9月 4日 (日)

【立ち読み】早蕨・8月号①  届きましたか、8月号

 雷鳴とどろくなか送本作業を終え、いよいよ早蕨8月号が皆さんのお手元に。

 今号編集長・西村さんの「凡・凡雑記帳」(編集後記)より。

●一応理科の教師である。

専門は生物。前任校で物理Ⅰ(旧課程・2単位)を担当したとき、1年間エネルギー問題に特化して授業をしたことがあった。(物理の先生ごめんなさい!)そのときには、もちろん原発についても教えたし、教えるために勉強もした。そのときは、原発は廃棄物の問題や電力会社の寡占状態など、さまざまな問題はあるものの、日本の原発は間違ってもチェルノブイリのような事故は起こさないと確信していた。なぜ、そのような考えに至ったかを説明すれば長くなるので割愛するが、何度も言うが一応理科の教師なので、論理的に考察してそのような考えに至ったのだ。

しかし、現実は違った。いまとなっては、返す返すも口惜しいが、自分がどこで間違った認識をしていたかが分かる。核反応について実感で伝えるのは難しいので化学反応(燃焼)になぞらえていえば、いまの福島は焚火の熾きの状態。自分も真っ赤な炭を熱くはないよと握らされた思いだ。そんな欺瞞と隠ぺいで原子力が成り立ってきたのかと思うと、少しでも多くの人に、そして目の前にいる生徒に事実を知ってもらいたい。理科教師の役割はたいへん重いと感じる。(凡)

(今号の特集は、7月例会、「「震災」「原発」を教室でどう語っていますか」の報告です。「早蕨」8月号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

2011年9月 3日 (土)

初任研で「ぴらいち」②

(きのうのつづきです)

大学で講師をしているHです。
先日、某市の初任研(二年次研修)の講師をつとめ、そのなかで行った「いきなりぴらいち」。
後半です。

<以下>

発表者の先生は実践を豊かに語ってくださり、何に悩んでいるのかがよくわかりました。「けなし役」はやりづらそうでしたが、ご自分の実践と重ねながら質問形式で切り込んでいる方もおられました。

聞き込み~まとめの過程で特に重要だなと思ったのは、「ぼく(私)も同じようなことがあって、・・・」という語りです。氏岡さんのインタビューのなかでもそういったお話や、上の先生が「伴走してくれているかが一つのポイント」というご発言がありましたが、「失敗」を責めるのではなく自分の「失敗談」を語りながら共感するというのが大切だと実感しました。

上記の『高校生活指導』で、若手の「ぴらいち」に反省文のようなものがあることが話題になりました。今回の先生方が書かれたものや語りを見ていると、昨年度ともに初任研を受けた仲間ということもあってか、ほとんどの方が硬くなりすぎたり鎧を着たりせずに悩みをオープンにされていました。でも、「最初にしめるところをしめられなかったので・・・」という表現が見られ、やはりそういう意識もあるのだなと感じました。その点は、最後に私のほうで軽くまとめをしたときに、ビシッとしないといけないという囚われが特に若い先生にあるのかなと大阪でも話題にしているということや氏岡さんのインタビューをもとに少し話させていただきました。

あっというまで、私にできることは何だろうかと考えさせられましたが、途切れない語り合いにこちらも元気にさせられました。

(おわり)

2011年9月 2日 (金)

初任研で「ぴらいち」①

大学で講師をしているHです。先日、某市の初任研(二年次研修)の講師をつとめ、そのなかで「ぴらいち」をしたので、紹介させていただきます。

 研修のテーマは「共同的な学習の意義~『失敗』や『つまずき』から生まれる学び~」とし、「私も正規の大学教員となって二年目、失敗ばかりです」という話から始めました。前半は、共同的な学習の原理としていつもの「最近接領域」の概念の話をしたあと、「つまずき」を生かす授業の意義や実践例についての講義をしました。

そして後半。『高校生活指導』2011年春号の一部を印刷したものを配布し、「ぴらいち」とは何かを話し、実例として三宮さんと国府さんの記事に少し目を通してもらってから、着任しからの実践のなかから一つ書いてもらいました。A4用紙一枚に20分で。
書いてもらった内容を読ませていただくと、気になる児童生徒についてのものが多く、児童の物がなくなったことについての保護者とのやりとり、初めての研究授業での「失敗」、授業でのグループワークがうまくいかないこと等がありました。

あらかじめ小中学校別に3~4人のグループを組んでいただいていたので、①発表者、②司会者・まとめ役、③ほめ役(3人グループの場合は司会者を兼任)、④けなし役(3人グループの場合はまとめ役を兼任)、聞き込みは誰が聞き込んでもよいことにしました。
発表者の報告は5分、聞き込み・ほめ・けなし・まとめで10分にしました。

(さて、「いきなりぴらいち」の行方は? つづきます)

2011年9月 1日 (木)

【立ち読み】「月刊生徒指導」9月号  生活現実からの職業観・勤労観の形成

  9月号の特集テーマは「走り出せ!キャリア教育」。
 おまかせHR研究会随一の「キャリア」論客・首藤さんが書いてます。

生活現実からの職業観・勤労観の形成~アルバイト経験を題材にした授業とキャリアデザインノートの取り組み~/首藤広道(大阪府立高等学校教諭)

(前略)

キャリア教育をとらえなおす

キャリア教育では「望ましい職業観・勤労観」を育成するとしています。しかし、さきほどのAくんにとっての望ましい職業観・勤労観とはどのようなものとして考えるべきでしょうか。これはキャリア教育でめざされる「人間関係形成能力」にもかかわってくる問題です。(キャリア教育は、「4領域8能力」、すなわち、①「人間関係形成能力」としての「自他の理解」「コミュニケーション能力」。②「情報活用能力」としての「情報収集・探索能力」「職業理解能力」。③「将来設計能力」としての「役割把握・認識能力」「計画実行能力」。④「意思決定能力」としての「選択能力」「課題解決能力」の育成に主眼をおく。)

 そもそも「望ましい職業観・勤労観」を教えられるものなのでしょうか。たとえば「職業を通じての自己実現」や「社会参加」などの理念が教科書に書かれていますが、現実の労働現場の前では時に空疎ですらあります。

 「職業観」や「勤労観」は実際に働き、いろいろな経験を経て漸く形成されるものだと言えないでしょうか。その意味では、生徒のアルバイト経験を授業でとりあげると、今の若者がどのような職業意識をもっているかうかがえて興味深いものがあります。彼らは使い勝手のよい労働力として位置づけられながら労働市場の重要な位置を占めています。
彼らの感想を聞くと、「頼りにされているのがうれしい。」「お客さんがありがとうと言ってくれるのがうれしい。」「先輩や同じバイトの人と仲良くできてうれしい。」など、率直な意見が出ます。一方で、「店長がうざい。」「先輩やいっしょに働いている人とうまくいかない。」「仕事がだるい。」「仕事がつまらない」という声もあります。彼らの率直な思いの背景にあるのは、労働条件の問題や職場の人間関係の問題です。そしてそういう環境の中で彼らなりの職業観・勤労観をつくっています。わたしはそこから出発する必要があると考えています。
               
(以下略。学事出版「月刊生徒指導9月号」 特集:走り出せ!キャリア教育)

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