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2011年11月 2日 (水)

スウェーデンの労働者運動をもとに、「教育基本条例案を事実をもとに考える」シンポを振り返る①

 今回のシンポジウム、各大学から多くの教育研究者の方が参加されていました。
  スウェーデンの教育を研究されている若手研究者・Hさんからいただいた「振り返り」を許可いただき一挙掲載します。

<ここから>

シンポジウムはたくさんの興味深い意見、そのままの声が聞けて、とても面白かったです。
今回のような集会の意味を、次につなぎ、現実に反映させるために、現在の状況のどの部分に対して、どのような闘争をしていけるのか、ということを、私はずっと考えていました。論点の整理です。

 鏡として念頭にあったのは、スウェーデン19世紀末の労働者運動でした。
工業化で都市に労働者が集中し酷い生活を強いられたときに、彼らは階級闘争をしようとします。ただしその闘争は、階級間での争いではなく、階級を分断させている社会状況に対する戦いでした。それを乗り越えるために労働者たちは、学習サークルを作って読書をして自分たちの教養を育み、政治的な議論ができる市民になろうとします。上中流階級の文化を、自分たちの生活に照らして批判的に受容し、作り変えていったのです。もちろん、中流階級の側からも、国民統合を成し遂げるために労働者や農民の教養を育み政治的議論ができる市民を育てようという働きかけがあるのですが。そんな民衆が作った文化が土台になって、スウェーデンの生涯学習社会、協調と合意による社会は作られました。

わたしたちは(とくに研究者は)、批判と共に、いい社会を作っていくモデルを示し方向付けていく必要があると思います。北欧には、そのヒントがあります。あくまでもヒントですが。新自由主義の席巻の中で、最近の変容を見るとますます示唆ぶかいです。

そんなことを考えながら、シンポで整理できたのは3層の議論でした。
相互に関連はしますが、これらが混在しているために、議論が混沌とすることがあるように思います。内外教育(2011年10月25日)の広田照幸氏の整理と重なるところもありますが、少し視点が違うように思います。

①教育の基本原理に関する問題:競争か共生か?
②教育の目的に関する問題:個人か社会か?
③法令の作成過程に関する問題:独裁か対話か?

                           (H。つづきます)

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