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2012年2月 4日 (土)

教育基本条例案にかかわる府市統合本部の議論報道を読んで③

(C)
・保護者が学校運営に参画するシステムをつくっていこうとする姿勢や、権限をできるだけ各学校に、という姿勢には共感します。保護者に関する強制の条項が削除されたことにより、学校と保護者の無用な対立の可能性は少なくなったと思います。

・ただ、教員評価できる保護者がどれだけいるのか心配だし、生徒にいっとき疎まれても厳しく指導する先生が、ちゅうちょする状況が生まれそうで心配です。

・「3年連続定員割れは再編整備」条項が残ったのは一番残念です。「定員割れ」の学校には、経済的にも成育史的にも「しんどい」子らがたくさんいます。彼らの行くところがなくなれば、「昼間っから茶髪で街中うろうろ」の若者は確実に増える。有名大学合格者数をアピールする学校がある一方で、若年結婚、子育て放棄、児童虐待、生活保護……といった貧困の連鎖をたちきるため、1人でも多くの若者たちが働いて税金を払えるよう日々格闘しているのも、大阪の府立高校の現実です。「すべての子どもたちに手厚い」は、大阪の教育が誇ってきたこと。少子化による再編整備が必要なら、数字が一人歩きするような乱暴な基準はやめてほしい。

・超エリートだけに一極集中で、地域が疲弊します。高校から下宿する生徒が出るのではないでしょうか。どの地域に住んでいても安心感があるのが大阪の教育の特性だったはず。

・教頭(副校長)の希望者は確実に減るでしょう。
校長希望の枠が埋まらないことが想定されているが、数だけそろえるなら集まるだろう。どこまで厳しい選考ができるのか、選考が恣意的にならないか、など心配です。

・結局は「政治が教育に口出しすること」が一番の目的だったのね、と思ってしまいます。
「教育の責任をはっきりさせる」ということをしきりに主張されての当案ですが、知事が「教育の目標づくり」にここまでこだわるからには、成果があがらない場合は知事の責任が問われるべきです。任命責任を棚に上げて、「言うだけ言うけど責任は教育委員と現場教員」という図式はズルイです。

・「学校協議会が教科書を決める権限を有する」「政治的行為を行った教員は免職」など、20000字のなかにちりばめられたトラップのような条文が残っているのかどうか心配です。

・教育委員との議論のなかで、いくつかの突出した部分が取れたように思えますし、今回の条例案が教育に対する議論を巻き起こしたのは事実だと思います。
ならば、拙速に採決を求めるのではなく、たとえば3年なら3年と年限を切って、保護者や研究者、現場教師らもテーブルに着き、さらによい大阪の教育をめざした案文づくり(「条例」という形にとらわれることなく)に励んではどうでしょうか。

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