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2012年4月 4日 (水)

【立ち読み】「高校生活指導」192号③ 先生がつながる!つくる!学びあう“史上最強の遠足”②

                                        
              先生がつながる!つくる!学びあう“史上最強の遠足”
                    ―失敗おそれず、アレンジ、チャレンジ!―

~つながる・つくる~ “史上最強の遠足”のねらい
 “史上最強の遠足コンペ”では、①ねらい②クラス分析③行き先・活動内容④費用⑤交通手段⑥生徒の役割分担・準備の活動⑦教員の役割⑧その他注意事項など、考えるべき条件が細かく指定されていた。中でも、クラス単独ではない学年の場合は、同僚を納得させ、協力してもらえるようなプランを考えることが1番難しい。それゆえ、遠足のプランニングでは“教員の役割分担”に力を入れたい。

もうひとつ、遠足という活動のねらいを定めるためには、クラスの現状分析が大切である。例えば、「クラス替えがない持ち上がりのため、グループが固定化しており、お互いを一方向から決めつけるような意見が目立つ」と現状分析し、「自分の意見を大事にしつつ、普段話さない友だちを知り、メンバーのつながりを再確認してほしい」といったねらいを定めるのである。活動内容の“焼そば大会”は、単に焼いて終わりではなく、クラスのメンバーをランダムに班分けし、事前に大会に出品する「オリジナル焼きそば」を考え、班で買い出し、調理。できあがったオリジナル焼きそばは、班ごとに工夫した点などのプレゼンを行ってみんなで試食、審査を行うというもの。企画名は“T&S-1グランプリ!(各班が鉄板焼きとソバ料理の腕を競う企画)”とした。

コンペの結果は1票差でこの企画が優勝。この様子は、翌日の朝日新聞でも報道された。一方で、インターネット上の書き込みサイトでは「温泉でBBQ!学校の先生は暇だな!」という批判も受けた。だが、この企画はそんな批判をものともせず、様々な先生の手によってどんどん進化していくことになった。

~失敗おそれず、アレンジ、チャレンジ!~ Part1
遠足当日。前日まで雨が心配されたが、嘘のような青空で気温もぐんぐん上がった。朝、バスの出発に遅刻する生徒を演じた教師とそれに大まじめで対応する担任役の若手教師とのやり取りなど全てが「実践的」に進んでいく。

バス内では、班に分かれて自己紹介・他己紹介、そして班長選び。多彩なやり方が展開され、ぎごちなかった気持ちが少しずつ柔らかくなっていく。

途中、バスを大型スーパーに横付けし、T&S-1グランプリの買い物へ。買い物という活動を通して、出会ったばかりの人たちが関わり合い、それぞれの個性が見えてきた。そして、いざ、料理が始まると、皮から作る本格餃子あり、班員全員の好きな物ぜんぶ入れた料理あり、和歌山出身が多い班の特性を活かした梅入り焼きそばあり、と各班の個性がさらに際だった。だが、何よりも「なりきってやってみる」ことが今回の面白いところ。サボる人、火おこしを一生懸命する人、他の班を偵察しに来てはつまみ食いをする人など、それぞれが「そんな生徒いるよね」と思える生徒になりきっていた。(いや、素の先生もいたに違いない)

帰路の道中、「○○なMVP」も秀逸だった。みんなが思い思いに印象に残った人を「○○なMVP」として紹介するのだが、「うちわあおぎ過ぎMVP」、「縁の下の力持ちMVP」、「全くやる気なしMVP」など、プラス面だけでなくマイナス面も発表されていく。しかもそれが誰かを非難するのではなく「こんな風に見てくれていたんだ」という、みんながみんなを認め合える空間に仕上がっていくのだ。その空気の変化を、私たちはしっかりからだで感じていた。
この「史上最強の遠足」。翌年も行われた。行き先は、昨年のコンペで惜しくも次点となった「無人島」。
      (つづく。城塚俊彦)

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