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2012年4月10日 (火)

【立ち読み】「高校生活指導」192号⑥  実践! 日本的ゼロ・トレランスとの闘いかた

今号の第2特集は「強制、排除の教育を乗り越える」。
3つの実践に対して、井沼さんが論じています。

そのラストぼ部分を立ち読み。

<以下>

実践! 日本的ゼロ・トレランスとの闘いかた

(前略)

 
 2006年教育基本法改定を契機に厳罰主義への政策的な傾斜や「ゼロ・トレランス的指導」が強まってきたことを、現場は実感している。国家的な流れに抗するのだから、これを実践で乗りこえるのは容易なことではない。じっくりと腰を据えてかかりたい。

ところで、文科省の「ゼロ・トレランス」把握は、以下のような特徴を持つ。

①「(処罰)基準の明確化とその公正な運用」という理念そのものは、日本に導入したい。
②ただ、日本の生徒指導は、反社会的な問題行動より、不登校などの「非社会的な問題行動」に対処するため「健全育成活動」や「カウンセリング対応」に重点を置いてきた。
③団塊の世代教師が大量に退職し、世代交代が進む中、生徒指導のマニュアル化が必要。

つまり、ゼロ・トレランスは導入するが、反社会的行動の排除よりも非社会的行動の矯正に重点を置く「日本的ゼロ・トレランス」を考えているのではないだろうか。それは<行動に関する詳細な罰則>規定を尺度に生徒を細かく監視しながら、「包摂」に向かう生徒指導を生み出すと思われる。 

事実、現場では、毅然と規律を遵守させると同時に生徒の話をよく聞き、面倒見の良い教師こそ力ある教師として、一定の若い教師のあこがれとなっていたりする。長野報告の最後が、「『排除』ではない『包摂』の高校教育を模索していきたい」と締めくくられているところにも同じ危うさを感じる。

私たちの実践は、「排除しないが、包摂(抱え込み)でもない」、異なる価値観を持つ者の参加を保障しあい、粘り強い討議と活動を通じて、お互いの合意と不合意を共有(不合意の合意)していく方へ進みたいと考える。

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