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2012年8月15日 (水)

【立ち読み】「高校生活指導」194号 ① 政治と公教育の関係を考える

大阪の書き手満載の194号。まずは、大阪大学小野田正利教授の論文です。

(前略)
2.教育行政はなぜ特別なのか
 これから書くことは、そうとうにザックリとした整理であり、学問的にはいくつかの疑義が出されるものですが、理解を容易にするために、大雑把となることをお許しください。私が大学院学生として学んだ、30年前の1970年代の比較教育行政制度での概括的な整理です。

 「教育を誰がどのように統制するか」という課題、言いかえれば「政治と教育の関係」を法制度として作り、機能させていくかについては、どの国にあっても課題となってきたことでした。19世紀の近代国家の成立と、その後の公教育の確立期においては、急ぎ「国民」を育成することが、国家の発展にとっても重要な課題でしたから、相当に上から強権的に整備することが多くの国で見られました。

  やがて選挙制度や議会制度が作られ、執行機関との関係性が明確になってくるにつれて、それぞれの間でのチェックアンドバランス(抑制と均衡)をとりながら、教育をどのようにコントロールするかが求められるようになりました。そしてそこに民意を反映させる方法が模索されます。
 
  道路の建設や、公衆衛生のために上下水道を整備したり病院を作ったりすることと同じように、権限を一箇所(一人)に集中させておこなえばいいのではないかと思われるかもしれませんが、人の成長に関わる教育の営みは、モノを作るのとはわけが違った慎重さが求められました。それは優れて人間の尊厳と自由との関わりで、単に知識の教授や技能の伝達にとどまらない、一人ひとりの精神構造の構築あるいは内面形成に関わるものであり、かつ親がわが子に対して本来的に持っている養育・教育権との調整が必要であるがゆえに、権力(統治機構)が教育に関与することの限界という問題でした。
 
  むろん学校を作ったり、教具を整備したりすることは、モノの建設・廃止と同じようにとらえることができるでしょう。しかし中核ともいうべき「学校が教師が、子どもに何をどのように教えるか」に直結する可能性を色濃くもつ教育行政については、別の慎重さが求められてきました。
 
  「教育に対する統制は抑制すべきものである」ことについては、おおかたの合意があるものの、国家権力や地方権力機関の独走や一人歩きをどのように防止するかについて、その理念構造や仕組みのあり方には、実に多様な議論があります。教育水準の維持向上を使命とする国家が、具体的にどのような権限を行使すべきか、そして実際の学校や教室の場で、教授・学習活動の展開における教員の教育方法と教材の裁量性の程度、あるいは子どもの学習権の確保と向上のために、保護者を含めた利害関係者(ステークホルダー)の関与の構造は、常に論争の的でもあります。

(後略。「高校生活指導」194号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

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