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2012年10月15日 (月)

オランダ在住の教育研究者、リヒテルズ直子さんの講演会に行ってきました(下)

(きのうの続きです)

オランダは移民が多い国で、アムステルダムなど大都市は子どもの6割は移民だといいます。いろんな宗教的背景もあり、特に9.11以降は排除の論理が強まっていると言います。そうした背景もあって、一人一人が違うということを教えることがとても重要になっているとのことでした。

   彼女があげた日本の教育の3つの問題点。それは、日本の学校が、未だに経済至上主義で産業社会モデルの学校であること。画一の一斉授業・教科書・入試学力テスト中心が象徴している。また、日本の学校がデモクラシーを教えず、実践しない「同調の強制」と、学校は教員と保護者の意見を排除する「同調型の管理」で一貫していること。そして、いじめなどにみられるように問題に対して対症療法的な対応しかできていないこと。

 彼女はOECDの2010年報告 Improving Health and Social Cohesion through Educationにふれて、かのOECDが、先進国の政策課題として、経済発展からwell-beingとsocial progress を重視すべきで、そのためには教育がとても重要な役割を果たし、しかも費用対効果が大きいことなどと指摘していることを紹介しつつ、世界の教育の趨勢を語ってくれた。その趨勢とは認知的学力の形成と社会・情動性の発達の統一。早い話、日本は受験学力中心で、この両者が対立している。彼女の提言は、画一の競争教育から個別支援の共生教育、教科書中心からホンモノ中心、答えさがしから問い続ける人間へ(学ぶことを学ぶ)、他。

 ぼくなりに咀嚼すれば、教科書的なデモクラシーの教えではなく、デモクラシーを実践できる集団づくりとデモクラシーのある学校づくり。そのためにも生徒・保護者・教員の間の課題を政治化することが大切なんだろう。自分と学校、自分と社会の課題を政治化し、デモクラシーを実践できる主体に生徒を育てたい。

(おわり。首藤)

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