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2012年11月 5日 (月)

1年1組の物語①

 河内愛子です。 担任も最後の一回り(3年)となってしまった私と、1年1組41人の話をこれから書こうと思います。

〈入学式〉
  私のクラスは1組。男子18人(うちひとり留年生)女子23人からなるクラスである。入学式に当たり、生徒向け・保護者向けの2種類の学級通信を用意した。そして、保護者に担任としての抱負を語るとともに、商大堺の藤田先生に聞いた、「我が子自慢」を保護者に書いてもらおうと、便箋を買って張り切っていた。しかし、その計画は、我が校の入学式のやり方とともに、何とも中途半端に終わるのであった(!)

  クラブ員の少ない我が校では、入学式の片付けは1年生がやるのだ。しかも、1組が!(何てことだ…)しかし、めげてはいられない。やるぞ!と気合いを入れて入学式は始まった。入学式後、教室に帰り、別室にいた留年生のKがクラスに合流した。Kは「ダブリです、よろしく」と挨拶して、自分の席に座った。(彼とは、3月の終わりに話をした。クラスに溶け込むため、「さん」を付けて呼ばせないように言うと、「そんな気はないです」と答えた。また、「一つ上であることはどうせわかるから、打ち明けてクラスに入った方が気が楽だと思う」というと、「わかった」と答えていた。)

  「30分くらいで生徒を来させてください」と言われていたので、大急ぎで学級通信を配り、急いで話をし、素早くものを集めて、副担任の先生に生徒を体育館に連れて行ってもらった。その後、保護者を待つが、いっこうに現れない。よそは来ているのに…。(司会の先生が7組から保護者を出してしまい、一番体育館から遠い1組は、途中でよその生徒や保護者にはばまれて、身動きできず、なかなか来られないのだった。)

 やっと教室にたどりついた保護者は、誰もいない教室を見て、「うちの子はどこへいったのでしょう?」と口々に聞く。「体育館で片付けています。」と答えると「帰って来ますか?」と聞くので、「帰りません」と答えた途端、みんな体育館へ行こうとする。あわてて「中へ入ってください」と言うが、「どうしても入らないといけませんか?」と言われるしまつ。(教師になって初めての体験)「片付けはすぐには終わりません。少しだけですから」と言ってやっと入ってもらい、大急ぎで学級通信を配り、早口で挨拶をすませる。(こんなはずではなかったんだけど…)

  それでも、半分以上の保護者は、「保護者の方から見たお子さんの良いところを知りたいので、我が子自慢を書いてください」と言うと、顔が輝き、真剣にその場で我が子自慢を書いてくれた。(親の思いがひしひしと伝わった瞬間であった。藤田先生ありがとう!)急ぐ保護者には、「生徒に預けてください」と言って、便箋を渡した。(あとで結構集まった)ただ、あまりに急いでいた保護者には、便箋を渡せなかったことと、クラスに来てもらえなかった保護者が6人ほどいたのは残念だったが、それぞれの保護者の思いが伝わる力作ぞろいであった。読んで、感動してしまった。(勿論来なかった保護者には、生徒を通じて、通信をちゃんと渡した)

  生徒にきちんと話すのは次の日のHRと決め、慌ただしい入学式を終えたのであった。
                                                                  
(河内愛子。つづく)

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