おすすめ情報

本の紹介

« 【再ご案内】12月22日(土) 恒例! 年末奈良教育大学学生向けHR1日講座 | トップページ | 編集長の偏執な日々…(上) »

2012年12月21日 (金)

すごくうれしい書評

航薫平著『えーっ!バイト高校生も有給休暇』を、『高校のひろば』誌で、東京の高校生が書評を寄せてくれています。

これがまた、「そうそう、それを伝えたかった!」といううれしい内容で。

<以下>

 航 薫平 著

 この本で特に印象に残ったところはまず、アルバイトをしている高校生の労働実態です。

 私自身、「決められた出勤時間より30分早く出勤して、仕事をしなさい!」と先輩から言われ、早くから仕事をしてもシフトどおりの給与しかもらえなかったことや、夜10時過ぎまで働かされ「10時以降の高校生の勤務は労働基準法に違反する」からと、10時以降の賃金は支払われなかったことがあります。この経験からアルバイトへの待遇について疑問を感じていました。

 ですから、本の中で、アルバイトは「見習い」として扱われ、「正当な額の給料が支給されない」という高校生の証言と私自身の経験とが重なって共感を覚えたのです。

 そしてこのような実態があるにもかかわらず、「アルバイトは権利を主張できる立場ではない」と考えている人が多いところです。

 本の中で、教師が「アルバイト従業員の給料が国で定める最低賃金に達していない場合、『たたかう』という人は手をあげて」と言い、手をあげた生徒は30人中3人。3人はクラス中から「世間知らず」のように非難されます。職場での不当な扱いに納得できなかった私は、その3人と同じように「これは法律に違反している」と考えましたが、私はそこで、声をあげてたたかうということができず、アルバイトをやめるという選択をしました。私は職場でのたたかい方を、よく知らなかったからです。

 この本の中で主人公が「アルバイトでも有給休暇が取れる」と学び、「みんなで有給休暇を取ろう」と訴えたことは、「すごいこと」だと思いました。私を含め多くの人が違法な労働条件、理不尽な状況の中で声を上げるのをためらっているのが現実であると思います。

 しかし、本書のなかで、教師や弁護士、労働組合に相談をして、学んだうえで、店長に有給休暇を認めさせたところに感動し、励まされました。

「今おかしいぞ」と思っている人が声をあげてたたかうことができたなら、あるいは、「おかしい」現状に気づかずにいる人がそれに気づけたなら、労働者の権利は確かなものになっていくでしょう。

 学校の授業、テレビ番組や地域などで労働基準法などの権利に関する法律を理解しやすいように伝え、会社でも新入社員や新人アルバイトの人に有給休暇が取れるなどの権利があると教えたりするなど、知るきっかけや学ぶ場をつくることが必要です。同時に従業員が声を上げるためのサポートを厚くすることで、「おかしい」ことを「おかしい」と言える、労働者の権利が保障される社会にしていかなければと思います。

()フォーラムA企画 1143円+税

  

東京都都立高校3年生 岡田ちふみ(『高校のひろば』2012年冬号)

« 【再ご案内】12月22日(土) 恒例! 年末奈良教育大学学生向けHR1日講座 | トップページ | 編集長の偏執な日々…(上) »

本の紹介」カテゴリの記事