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2013年1月19日 (土)

【立ち読み】「早蕨」12月号⑤  こんな大阪ワンデイウォーク 関西駅ぞばぐるっと一周旅①

中村代表渾身(!)の乗りテツルポ。4回に分けて全文掲載します。
 
  その駅ならではの風景や行き交う列車を横目で追い、アナウンスや雑踏を聞きながら、ホームで長年営業してきた固有の味を楽しむ。ここに「駅そば」の魅力がある。自分が旅した中では、音威子府、新得、水戸、小渕沢、富山、姫路、米子、下関、阿波池田、鳥栖。きしめん、うどんを含めると名古屋、津、高松…が思い出される。

 僕の「駅そば原風景」は天王寺駅。頭端式(行き止まり)の阪和線ホームにあった屋台だ。かつて関空特急はるかやくろしお、関空紀州路快速が通る環状線との短路線はなく、南紀方面直通の特急くろしお、急行きのくにを含め阪和線は全て天王寺発着だった。ステーションビル側の大きな改札口を入って左へ行くと一番奥が南紀方面行きの1、2番ホーム。その付け根に、うどん・そばの屋台があった。もうもうと湯気がたっていて、出汁の匂いが漂い、そこにはいつも人が群がっていた。

 「かけそば」と声をかけおカネを渡すや、時を措かず割り箸を乗せた鉢とお釣りをくれる絶妙の間合い!?だった。1~2分でつゆまですすると、残った汁はそばに置かれた大きなバケツに流し、隣の大容器に鉢、割り箸を放り込む。(今思えば、随分と汚いが…)
 小学校の中高学年のころから親父に従いて京都奈良他へ行くことがよくあって、帰途
天王寺のこの屋台でそばを食って和歌山行き快速に乗るというのがいつしかの定番になった。麺はともかく、出汁はうまかったと覚えている。

南海電車で新今宮下車、JRの乗り換え口へ出る階段下に『南海そば』(以前は『戎そば』)のスタンドがあって、漂ういい匂いに吸い寄せられそうになるが、今日は我が駅そば聖地、天王寺をまずは目指す。ホーム最後尾の階段を上がって右、阪和線ホームへと行く。昔うどん・そばのあの屋台のあったところには小綺麗な「天王寺うどん」のスタンドが建つ。短路線ができてから特急のみならず快速電車の多くが15・18番ホームを発着する今、1~7番線の頭端式ホームにかつての賑わいはない。いつも人が群がっていたあの光景は、今は昔である。

 ごちそうビル向かいの東口から大和路快速・環状線ホームを覆うように二本の通路ができ、それに挟まれたように飲食店や売店が並んでいる。その一角にも『天王寺うどん』の立ち食いスタンドがあって、こちらはいつも賑わっている。久しぶりだ。出汁は薄いかつおだしで、昔と変わらず、「かけ」210円も安い。が、「屋台の前ですするのが天王寺」を知る身には小綺麗なスタンドには一抹の違和感を覚えずにはいられない。
 環状線に乗って京橋下車。ここのホームの立ち食いスタンドは『駅そば京橋』だったはずだが、いつの間にかJR西日本子会社の『麺屋』になっている。今、京阪神圏の主なJR 駅では『麺屋』チェーン化という寡占が進んでいる。

(つづく。中村貴彦。「早蕨」12月号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

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