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2013年9月 5日 (木)

【立ち読み】「高校生活指導」196号④ 「体罰」問題についての一弁護士の考察

(第2特集は「暴力をこえる」。大阪高生研が行った緊急集会のパネラー、発言者の方々にも多く登場いただいています。下川和男弁護士のご寄稿から)

「体罰」問題についての一弁護士の考察

(前略)

「体罰」は暴力、暴力は許されない

 桜宮高校問題後、各種アンケートが行われた。「体罰」として公表されたほとんどは、殴る、蹴る等のまさに暴力である。暴力は、犯罪であり、暴力だけでも「暴行罪」(2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料)、暴力の結果怪我をすれば「傷害罪」(15年以下の懲役又は50万円以下の罰金)、さらに死の結果を招来すると「傷害致死罪」(3年以上の有期懲役)である。
 
 ただ、全く暴力が許されないのではなく、例外的に暴力が許される場合がある。例えば、ボクシングや格闘技などの正当な職務行為、正当防衛や緊急避難といわれる場合である。正当防衛は「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するためにやむを得ずにした行為」であり、例えば、教室内で暴れる生徒に対して、先生自ら及び他の生徒の生命・身体の安全を守るために制圧行為を行うことがこれにあたる。

  ドラマ「3年B組金八先生」で「かとうまさる」が暴れた場面で、金八先生は生徒の生命・身体の安全のために彼を押さえ込むことは許された。正当防衛は、今まさに権利が侵害されている状態での防衛行為であり、侵害が過ぎ去っている時には防衛行為は成り立たたない。教室で暴れた「かとうまさる」は、教室から出て行くが、それを追いかけてまで制圧行為はできない。
  また校舎裏でたばこを吸っている生徒を見つけ「罰」として、生徒を殴ることは許されない。先生の生命・身体への攻撃はなく、正当防衛の成立する状態ではない。また、仮に生徒が暴れていても、先生の一声で生徒が制止した後には侵害が治まっているから、正当防衛とはいえない。

(下川和男弁護士。後略。「高校生活指導」196号)

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