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2013年12月21日 (土)

【立ち読み】「早蕨」12月号③ 10月例会の報告「コミュニケーションの“リアル”~LINE,SNSの世界と若者~」③

(つづきです)

   締めは大阪大学准教授・辻大介さんのお話。これがまたよかった・・・。
問題の所在は、ネットがあるからではなくリアルな「友人関係」とその背後にある「友だちプレッシャー」であること。「ネット教育も重要だけど、ネットの世界は子どもの方がよく知っている。大人の側も子どもから学ぶ姿勢が必要」と述べられ、友達とのコミュニケーションが盛んだとかえってのめりこみやすいという傾向を指摘されました。

今は、周りから「あの子、友だちいない子」と思われるのがすごく忌避されるとのことでそういう周囲からの眼差しのプレッシャーが子どもたちを覆っている。今の子どもたちは、「友だち関係志向」がとても高まっていて、LINEやSNSなどのツールへの依存は、友人とのつながりへの依存の表れととらえられるということです。昔は、コミュニケーションが苦手・・・というか周囲と合わせるのが苦手で孤高を気取る若者もいたように思いますが、そうした人は「あの子、友達のいない子」と思われて、そうした眼差しに耐えられない若者が拡大している。「ぼっち」とみられることへの不安感があると言います。友だち関係をつくることはたとえば就活でも表れていて、就活の情報を得るにあたって友人がいるかどうかは大きな要素でそれが内定獲得の条件にもなっているとのことです。

  辻先生は、社会構造の変化、すなわちコミュニケーションが求められる第3次産業の比重増加と、人の価値観の変化すなわち「物の豊かさ」から「心の豊かさ」という状況変化の中でそうした友だち志向の高まりを解説されました。こうした状況の中で、つながりを重視する社会に特有の辛さ、つまり交友関係をつくること、コミュニケーションが苦手な若者・子供に「居場所」「逃げ場所」「拠り所」をどうつくっていくのかという教育の課題を提起していただきました。

3つの報告と辻先生のお話を通じて思ったこと・・・。LINE,SNSはおじさんの私からはうかがいしれない世界ですが、その世界に展開するのは現実世界、すなわち教室の中のリアルな人間関係だということです。LINEを否定するのではなく、その中に投影されているリアルな世界、人間関係をどう公的な場面に引き出して生活指導の対象としていくのか・・・。その意味ではSくんをめぐるS先生の指導実践は大きな示唆をあたえてくれるでしょう。Sくんの物語は現在進行形ですのでぜひ続編が聞きたいと思いました。

懇親会までお付き合いくださった辻先生をはじめ、みなさん、ありがとうござました。またの機会、よろしくお願いします。
 
 
  (おわり。首藤広道。「早蕨」12月号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

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