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2014年2月 1日 (土)

大阪朝高ラグビー部のドキュメンタリー

 今年の全国高校ラグビー選手権は、僕の勤める東海大学付属仰星高校の優勝で幕を閉じました。毎年、冬はラグビー三昧なのですが、今年は7年ぶりに最後まで花園に通い詰めることができました。毎試合、熱のこもったいい戦いが繰り広げられ、春から清々しい感動を与えてもらいました。

 さて、ラグビーに関してはもう一つお知らせしたい話があります。大阪朝鮮高級学校ラグビー部のドキュメンタリー「60万回のトライ」がこのほど完成し、大阪の東成区民センターでプレミア上映会が行われました。僕が会場に着いたのは、開演の20分ほど前でしたが、受付を越えて入口に向かうと、なぜか人だかりができています。「ん?}と思いつつ、それをかき分けて中に入ると、もはや空いている席はなく、通路や最後尾にも人が溢れている有様です。会場に入れずに帰った人が何百人もいたほどのすごい人気で、それでもぜひこの機会に観たかったので、1時間45分、立ち見でがんばりました。

 映画は、2010年度のラグビー部にスポットを当て、春の選抜大会の決勝で東福岡に敗れてから、花園の準決勝で桐蔭学園との死闘の末、惜しくもベスト4でフィールドを後にするまでを描いたものです。主将のガンテくんをはじめ、実際の朝高生徒が実名で登場し、泣き、笑い、グラウンドを駆け回ります。ラグビー部だけでなく、運動会や文化祭の様子、就学支援金問題や北朝鮮への修学旅行についても触れていて、僕が日々出会う生徒と同じようにお茶目な面もあり、また多くの日本の高校生はあまり意識しないであろう政治や、民族や、自分自身のアイデンティティについて考える姿も描かれています。

 全国大会である花園の初戦で俊足のユインくんが相手選手と激突し、脳震盪のためにその後の試合には出場できなくなります。彼が涙をこらえながら、後輩にジャージを渡すシーンには、思わずほろりとさせられてしまいした。彼は自分自身とても辛いのに、撮影をしている朴思柔(パク・サユ)監督にベンチコートをかけてあげ、画面には写りませんが、監督のすすり泣きが録音されているシーンもあって、そこがとても印象的でした。

 映画の最後の方に出てくるのですが、朝高の他の選手や、花園に出ていたチームの選手たちが、ユインくんのために、ユインくんに内緒で親善試合を企画します。スポーツは、ナショナリズムのために利用されることもありますが、人と人とをつなぎ、心を通わせることができる素晴らしい場でもあります。映画には、橋下大阪府知事(当時)も登場していて、朝高への補助金カットについて話していましたが、その人物としての底の浅さは、同じ問題について朝高の生徒たちが静かに訴えかけていたのとはまさに対照的でした。彼もラグビーをしていたはずなんですが、「ノーサイドの精神」(試合が終われば敵も味方もない)を学ばなかったのでしょうかねぇ。

 3月から十三の「第七藝術劇場」で上映されることになっていますから、お近くの方はぜひご覧になってください。関東の方は、2月22日に東京の日暮里サニーホールでプレミア上映会が行われますので(開場13:00 上映13:30)、これもお時間があればぜひどうぞ。(M)

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