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2014年3月14日 (金)

「先生に教えたろ、LINE」授業を参観して(上)

●先日は、授業の参観をさせていただき、ありがとうございました。

  1月27日に参観させていただいた「先生に教えたろ、LINE」(授業者 佐藤功)について、生徒がつくったプリントや授業中の出来事にもとづきながら、私が考えたことを書かせていただきます。私の聞き間違いや記憶違い、的外れな感想もあるかと思います。これをもとに意見交換をできれば幸いです。
 

○生徒が授業をすることの意味
  今回参観させていただいた授業は、ケータイ持たない佐藤先生やクラスメイト、外部からの参観者等に向けて、高校生が授業をするということが大きな特徴だった。教師が「正答」を持っていて、それを生徒たちに伝える、生徒はそれを習得するという図式とは正反対の授業だった。そこに、教師―生徒関係を固定して捉えない佐藤先生の授業の特徴がでていたし、生徒たちのリアルな実態が浮かびあがって興味深かった。
 
  生徒たちが授業をする意欲を高めるために生徒文化を存分に生かす手法も、さすがだと思った。まず、授業のテーマが、ほとんどの生徒たちが利用しているLINE。生徒たちがグループになって授業をする小テーマも、「ここがウザイここがめんどクサイぞ、LINE」といった、生徒たちが使っていそうな言葉を用いている。
 
  LINEの長所・短所、クラスの現状分析、LINEいじめ、こんなルールがあればみんなハッピーといった、必須のテーマが設定されている。そこに、LINEをテーマにして生徒に学んでほしいこと、教師の指導性がある。また、全てを教師の想定の範囲内に収めようというのではなく、生徒がテーマを新たに設定することも可能となっており、「『既読』について」(4組)や「タイムラインについて」(6組)といった生徒設定テーマの授業もあった。
 
  生徒たちの授業スタイルも興味深かった。キャラクター(スタンプ)やカラフルな色を使ってLINEのトーク画面を画用紙に描き、それを使って「既読」がつくプロセスを可視化したり、トークがどう表示されるかを実演したりしていた。そういった、LINEを利用していない者が理解できるように、具体物を使って一斉授業をする班が複数あった。また、配布したプリントに記入させて指名するという授業スタイルや、生徒や参観者を指名してやりとりをしながら進行していく班もあった。
 
  とりわけ興味を引かれたのは、「ここがウザイここがめんどクサイぞ、LINE」というテーマで授業をした6組8班だった。「スタンプ連打をなんでするのか。常習犯のAくんに聞いてみます」と同じ班のメンバーにインタビューをして(「ヒマですることないから」と回答)、それに対してどう感じたかを、「被害者に聞いてみます」と同じ班のメンバーにインタビューをする(「電池が減って、めっちゃ迷惑」「イライラする」「LINE開くのがめんどっちい」と言われる)。当事者の声を授業内に位置づけており、「加害者」「被害者」双方の気持ちが伝えられる。Aくんは「やったらあかんねんな。すいません。」と謝っていたが、きっと実際はそこで完結しないだろう。彼が「ヒマ」で(恐らく)誰かに相手をしてほしいと思ったときに、「スタ連」をする以外の解消法を見つけることが解決につながると思う。
 
  以上のような生徒の授業のスタイルは、これまで受けてきた授業スタイルにどれだけ影響されているのだろうか。これまでのものと違うのならば、一方的に知識を伝達するというスタイルではない授業を生徒たちが求めているということかもしれない。
 
                            (平田知美。つづく)

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