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2014年9月14日 (日)

【立ち読み】「早蕨」8月号③ 「基調発題討論に参加して」

関谷さんの基調発題『生徒が言葉を持つ時~「スクールカースト」をくみかえる~』は意欲的な労作でした。関谷さんお疲れ様でした。今日の学校が置かれている競争主義と能力主義という一元的な価値観。その中で、集団づくりやリーダーづくりという発想が衰弱しています。新自由主義的な能力観を背景にスクールカーストとよばれる一種の棲み分けがクラスに浸透しています。そこが関谷さんの問題関心の発端です。

  Yくんはそのスクールカーストの下位層にいると自覚しています。Yくんは、生徒会活動や私学助成運動、そして関谷さんとの応答を通じて、自分と世界を語る「ことば」を獲得していきます。その言葉は時として、周囲に受け入れられることなく上滑りしてしまうこともあります。しかし、Yくんは「自分の思い描く学校」を求めて奮闘していきます。Yくんの成長の過程はちょっと古臭い表現かもしれませんが、青年期特有の正義感とか情熱というものを感じさせます。

 
  (中略)

 
  (コメンテーターの)小玉(重夫)さんは、90年代には三者協議会のように教師の権力性を生徒がくみかえる実践が注目されていたが、今日では、教師は自らの権力行使の中断(遂行中断性)し、生徒と親密な他者としての応答や論争をしかけること、そして後追いをしない(生徒の自己決定権の尊重)を通じて生徒が市民に育ちゆく道筋を考えるべきという展望を示されました。2000年代以降、教師たちには統制の網が覆いかぶさり、自由と自治から遠ざけられる事態となっています。その時代状況を反映した指摘だと受け止めました。
  議論を聞きながら、私が問題関心としてノートにメモしたのは、「YやSの成長とともに、生徒会や学校、あるいは職員はどのように民主的にくみかえられたのか」「生徒はどんな関係性の中でどんな〈ことば〉を獲得すれば市民になりうるのか」という2点でした。「どんな関係性」「どんなことば」とは自分でもこなれていない表現ですが、この2点は自分の実践の課題であると思っています。

(首藤広道。「早蕨」8月号。購読申し込みは、左記、「メール送信」へ)

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