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本の紹介

カテゴリー「本の紹介」の投稿

2013年9月 3日 (火)

土肥 信雄さんの「体罰否定論」

昨年の近ブロにお招きした土肥信雄さんから、以下の新著についてのメールをいただきました。
著書のタイトルは、ズバリ、『先生、殴らないで』。

昨年12月、大阪市立桜宮高校でバスケットボール部の二年生男子が顧問からの体罰(暴力)を苦に自殺した事件は、教育に携わるすべての者の胸を痛めました。その時、元巨人軍の桑田選手が体罰否定論を全面的に展開してくれて本当に良かったと思いました。特に「愛のムチ」論の全面否定、「指導者の暴力で選手生命を奪われてもいいのか」、「絶対に仕返しをされないという、上下関係の構図」、「暴力で脅すのは最も安易な方法」は私の意見とまったく同じでした。

私は教員になった時から体罰だけは行わないと心に決めていました。教員生活34年間、長い間生活指導部やサッカー部等の指導を行い、難しい場面もありましたが1回も体罰を行いませんでした。一般教員時代の1993年ころ、「体罰否定論」という短い論考を書いていました。当時在職した都立小川高校(町田市)で同僚が体罰を行い、なんとかやめてもらうために、なぜ体罰がいけないかを論理的に明らかにする必要があったからです。また校長であった三鷹高校時代には職員会議でこの「体罰否定論」を全教職員に配布して体罰の問題点を指摘して、体罰の無い学校にしようと思いました。

 今回、かもがわ出版より、元巨人軍の桑田選手等とともに私の体罰否定論も掲載されている「先生、殴らないで!」(http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/sa/0634.html)が8月に出版されました。この本が日本の体罰容認の風潮を変化させ、体罰は最も卑劣で安易な指導方法であることを教師が認識し、体罰のない教育現場になることを願っています。

「体罰否定論」は私のモットーである“基本的人権の尊重と平和主義”から必然的に導き出された考え方です。桑田選手他5名の皆さんの考え方と、私の「体罰否定論」をお読みいただければ幸いです。

2012年12月21日 (金)

すごくうれしい書評

航薫平著『えーっ!バイト高校生も有給休暇』を、『高校のひろば』誌で、東京の高校生が書評を寄せてくれています。

これがまた、「そうそう、それを伝えたかった!」といううれしい内容で。

<以下>

 航 薫平 著

 この本で特に印象に残ったところはまず、アルバイトをしている高校生の労働実態です。

 私自身、「決められた出勤時間より30分早く出勤して、仕事をしなさい!」と先輩から言われ、早くから仕事をしてもシフトどおりの給与しかもらえなかったことや、夜10時過ぎまで働かされ「10時以降の高校生の勤務は労働基準法に違反する」からと、10時以降の賃金は支払われなかったことがあります。この経験からアルバイトへの待遇について疑問を感じていました。

 ですから、本の中で、アルバイトは「見習い」として扱われ、「正当な額の給料が支給されない」という高校生の証言と私自身の経験とが重なって共感を覚えたのです。

 そしてこのような実態があるにもかかわらず、「アルバイトは権利を主張できる立場ではない」と考えている人が多いところです。

 本の中で、教師が「アルバイト従業員の給料が国で定める最低賃金に達していない場合、『たたかう』という人は手をあげて」と言い、手をあげた生徒は30人中3人。3人はクラス中から「世間知らず」のように非難されます。職場での不当な扱いに納得できなかった私は、その3人と同じように「これは法律に違反している」と考えましたが、私はそこで、声をあげてたたかうということができず、アルバイトをやめるという選択をしました。私は職場でのたたかい方を、よく知らなかったからです。

 この本の中で主人公が「アルバイトでも有給休暇が取れる」と学び、「みんなで有給休暇を取ろう」と訴えたことは、「すごいこと」だと思いました。私を含め多くの人が違法な労働条件、理不尽な状況の中で声を上げるのをためらっているのが現実であると思います。

 しかし、本書のなかで、教師や弁護士、労働組合に相談をして、学んだうえで、店長に有給休暇を認めさせたところに感動し、励まされました。

「今おかしいぞ」と思っている人が声をあげてたたかうことができたなら、あるいは、「おかしい」現状に気づかずにいる人がそれに気づけたなら、労働者の権利は確かなものになっていくでしょう。

 学校の授業、テレビ番組や地域などで労働基準法などの権利に関する法律を理解しやすいように伝え、会社でも新入社員や新人アルバイトの人に有給休暇が取れるなどの権利があると教えたりするなど、知るきっかけや学ぶ場をつくることが必要です。同時に従業員が声を上げるためのサポートを厚くすることで、「おかしい」ことを「おかしい」と言える、労働者の権利が保障される社会にしていかなければと思います。

()フォーラムA企画 1143円+税

  

東京都都立高校3年生 岡田ちふみ(『高校のひろば』2012年冬号)

2012年12月15日 (土)

ちょっといいやん! 勝手にBOOK案内 「小熊英二著作」2冊

「早蕨会員」としてデビューいただいた、大学教員・Kさんの、小熊英二さん著作の書評特集です。

●小熊英二『私たちはいまどこにいるのか』(毎日新聞社、2011)

著者の小熊さんは慶應義塾大学で日本の歴史・思想の研究をされています。これまでいくつかの重厚(文字通り)な著作を発表してきましたが、本書は専門書ではなく、時々のコラムやインタビューなどを集めたもの。震災の直前に出版されましたが、政治運動や市民運動が「沈滞」していると言われるなか、冷戦後の日本社会が変わらざるを得ないターニングポイントに来ていることを説得的に語っています。反貧困、プレカリアート運動の分析も秀逸です。現代社会における市民形成と市民運動の意義が歴史の流れのなかに位置づき、元気の出る一冊です。(定価1890円)

●小熊英二『社会を変えるには』(講談社現代新書、2012)

 その小熊さんの最新刊、しかも一般向けに書き下ろした民主主義論・社会運動論がこの本です。象牙の塔の研究者ではなく、震災後には反原発市民運動の先頭に立ってきた小熊さん(市民団体とノダ総理との会見にも参加していました)。市民が何もしなければ社会は「望んでいない方に」変わる。つまり行動してもしなくても、「社会を変えない」ことなど不可能だ、というスタンスで本書は書かれています。そもそも民主主義って何なのか? なぜ日本では民意がここまで政治に反映しないのか? そうした疑問を考えるにも役立ちます。(定価 1365円)

2012年11月17日 (土)

産経新聞に紹介されました。「志ある若者へのエール」

志ある若者へのエール

「ええっ!このお店休んでもお給料もらえるの!」「半年働いたらとかいくつか条件はあるけどね」――。
 店長と学生アルバイトのこんな会話で始まる学生向けの労働問題解決本「えーっ!バイト高校生も有給休暇取れるンだって!」(四六版 1200円)を出版。実話がベースでリアリティあふれる内容が学生らに共感を呼んでいる。

 最低賃金以下での給与計算や時間外労働の強要、雇用契約書の明示義務違反…など、労働に関する違法行為がまかり通っている現状について、法律家と情報を共有、これらの問題を授業でも取り上げてきた。(以下、下記へ)

 http://foruma.co.jp/wp-content/uploads/2012/11/375e2670cea62b73634e99fac3532719.jpg

「えーっ!バイト高校生も有給休暇取れるンだって!」

お問い合わせは フォーラムA出版 (06-6365-5606)

2012年11月 8日 (木)

朝日新聞にて紹介されました。

バイトの権利、マンガで解説 府立高教諭が手引書 (11/6 朝刊)

えーっ! バイト高校生も有給休暇とれるンだって!――こんなタイトルの本を、府立高校の先生が出版した。雇用契約書の詳しい見方や職場での理不尽な要求への対処法などを、漫画を織り交ぜて易しく解説。すべて、実話をモデルにした内容だ。

 ストーリーの中心は、アルバイトにも正社員と同じように様々な権利があることを授業で学んだ男子高校生が、困難を乗り越えながら有給休暇を認めてもらう話。ここに、最低賃金以下で働いていた男子が教師や弁護士の助言を受けながら時給を上げていく話や、残業代も支払われず疲弊している「名ばかり店長」を間近に見た女子が、バイト先を労基署に告発する話などがからむ。(以下、下記へ)

http://book.asahi.com/booknews/update/2012110800012.html

2012年10月 2日 (火)

【本】書評ありがとうございます③ 『えーっ!バイト高校生も有給休暇とれるンだって!』

航薫平(わたり・くんぺい)です。

 航薫平著『えーっ!バイト高校生も有給休暇とれるンだって!』フォーラム・A(1200円)、いくつか書評いただくようになり、大感謝!

●女性のひろば(2012,11月号) 

労働法を実践的に、わかりやすく理解できるよう、ライトノベルタッチで描いた実用書。3人のバイト高校生が、教師と弁護士からアドバイスを受けながら、有給休暇を取得したり、最低賃金以下だった賃金を引き上げさせたりしていきます。最後は女子高生が労基署に行って、“名ばかり店長”の働き過ぎを告発。「法律はタテマエや」と言っていた男子高校生も徐々に変化します。
 労組の青年部長などが書いたコラムも収録。高校生、若者におすすめの労働問題解決ストーリーのシリーズ第1冊です。

●しんぶん赤旗(2012,9,23)

6ヶ月間の継続勤務などの条件があればアルバイトでも有給休暇が認められています。高校生を主人公にした物語形式でマンガも交えながら、労働法で認められた労働者の権利を明らかにします。「有給を認めない会社に上手に認めさせる方法は」「アルバイト店長ですが『管理職だから残業代は払わない』といわれたが」……。関係する法律も紹介し、さまざまな質問にも簡潔に答えます。

● →「大阪日日新聞」の記事(2012,9,8)は、http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/120908/20120908041.html

2012年9月13日 (木)

【本】「孤族の国」

 取材班の一員である、朝日新聞・中塚記者からいただき一読。
 すぐに思ったこと――「朝日新聞、これはぜひ、続編を書かねば!」

 続編のタイトルも(ぼくのなかでは)決まってます。

「“孤族”の国から“個族”の国へ」

 ますます進む高齢社会。そのなかで相次ぐ孤立死。
 たいへんな状況のルポ連発を読み、「これからの世の中、さらに大変だぞ」と思ってしまう。
 ルポが1つ1つ丹念なだけに、読めば読むほど暗くなっちゃう。

 でも、そのなかで「アカルイミライ」を想起させるのが、中塚さんも担当した「家族代行」の章。
「孤」をつなぎ、かつそれによって報酬を得るNPO。うまくいけば、「みんなHAPPY」の新しいビジネスモデルとして成り立つはずだ。

 1人きりに「なってしまった」孤族の状況から、1人を「選んで生きる」たくましい個族となるよう、のちのヒントになるルポを、ぜひ。
 日本全国あちこちに存在する(はずの)「持ちつ持たれつ」に焦点を当てた続編の発刊を待ってます。

 ありがとうございました。

2012年9月10日 (月)

おっと。  ネタバレ? 顔バレ!

 航薫平著『えーっ!バイト高校生も有給休暇とれるンだって!』フォーラム・A(1200円

 まずは大阪日日新聞が大きく載せてくれました(9/8付朝刊)

 http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/120908/20120908041.html

  フェイスブック等で紹介してくださっている、Hさんから、以下許可得て転載。

<以下>

 著者からの押し売り(?)で購入しましたが、私が高生研に興味をもったきっかけであるI先生の実践のエッセンスがたっぷりで、あっというまに読みました。漫画のなかで高校生たちがつぶやくことばに、一労働者として高校生がおかれている状況がよく表れています。私は二章の竹まっちゃんが、すごく気になります。学生にも読んでもらいたい一冊です。来週の某大学での集中講義で、さっそく使わせていただきます!! (^o^)

(以下、一部ネタバレご容赦)

 私は「竹まっちゃん」がすごく気になりました。彼の不器用さが伝わってくるようでした。
 最後(105頁)の「今日の竹まっちゃんは、しっかり顔を上げて笑っていた。」のところに、目頭が熱くなりました。よかったなという思いと、彼の不器用さにこれからが心配になりました。

 でも、竹まっちゃんにとって、佐貫先生から学んだこと(3原則などなど)、上山弁護士からのアドバイス、タカオたち(一見異質な)仲間の協力で最低賃金を勝ち取れた経験は、きっとこれからの労働のなかで生きてくると思いますし、少し自信をもって、彼の一途さを持ち続けていける可能性を勝手ながら感じました。

 おもしろかったですし、色々な論点が提示されていて学ぶところが大きかったです。(後略)

2012年9月 6日 (木)

【本】「ルポ 子どもの貧困連鎖」

「今日は『ルポ 子どもの貧困連鎖』を一気に読みました。
高校定時制から、保育園児まで、これまで新聞連載で斑読みだったものを、多少憂鬱になりながら、考えさせられながら読みました。
子どもたちに関わる多くの大人たちや、行政・国がやるべきことを、ルポと専門家へのインタビューで、貧困の現状が非常にわかりやすく書かれてありました」
                 (沖縄・Oさん)

 ブログをやっていてラッキー!なのは、最近、書籍の寄贈をよく受けることになりました。
 ありがとうございます。

 8月の高生研大会(東京)にも来てくれた、共同通信の池谷孝司さんの新著(保坂渉さんとの共著)をぼくも読ませていただきました。

 なかなか口を開いてもらえない(だろう)人たちに、さすが池谷さん、丹念に取材を重ね、ルポされておられます。

 池谷さんが担当した「高校編」は、ぼくたち高校教師からすると「なるほど。そういうことだったのかぁ」とうなずくことも多い。
 一方で、「先生も言いたいこといっぱいあるだろうなあ」と思うところも。

 ここに出てくる子どもたちは、池谷さんと彼女らとを出会わせてくれた「だれか」が存在する子ら。何の「寄る辺」もない、もっとたいへんな状況の子どもたちもいっぱいいるだろう。

 次作は、子どもの側と、教師の側、かかわる福祉の側、同じ1つの事例に対して、多方面から関わる人たちそれぞれを「主語」にしたルポを、ぜひ期待しています。
 そこから、教育と福祉がどう出会えるのか、探る芽が見えればいいなあと思いました。

 ありがとうございました。

2012年9月 1日 (土)

【本】ありがとうございます。

 航薫平著『えーっ!バイト高校生も有給休暇とれるンだって!』フォーラム・A(1200円

 いくつかのブログにて紹介いただくようになりました。

●子安潤さん Magazine 957

(中略)

 本書は、労働基準法に関する実践が土台にある。また、大阪京都あたりの法教育研究会の蓄積が土台にあって、描かれたものだ。

 本書は、3章から構成されているが、各章の始めにマンガが状況を示すように描かれている。このマンガの内容を反復もしくは肉付けするようにアルバイト高校生を中心としたストーリーが記されている。そして、その章のお終いに法的な根拠や用語の解説が配置されている。

 話題は、まず、本のタイトルとなっているバイトの有給休暇をバイト先に認めさせる話し。ストーリーでは、バイトに有給の法的根拠があることを解説するよりも、そういう思想とでも言うべき争いが高校生の日常用語に近い形で描かれている。そういう意味では有給の思想が論争されている。そういう話しが笑いを盛り込みながら描かれている。

 二章は、最低賃金以下のバイト代を撤回させる話題。三章は、名ばかり管理職の問題が取り上げられている。この2つの章も1章と同じ構成となっている。

 本書は、教育実践が土台にあるから、実践の参考になると同時に同じような状況におかれている高校生やバイト労働者に直接役立つように描かれている。

(下略)

http://koyasujun.info/magazine.htm

(2012.08.18)

●浅野誠さんブログ

 とてもわかりやすく痛快な物語だし、実際に役立つ本だ。
 有給休暇、最低賃金、名ばかり管理職の問題が扱われている。コミック付きのくだけた小説本に解説付き、といった感じ。
 当事者のバイト高校生たちの心情の変化がグイグイと読者に迫ってくる。実話にもとづいているので、非常に生々しく響く。

 バイト高校生が対象だろうが、大学生も十分対象になる。高校教師や大学教師も授業の教材にできる。

(後略)
 
http://makoto.ti-da.net/e3526456.html